新年明けましておめでとうございます。
少し遅くなりましたが、
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
正月早々、面白い記事を見つけました。
体外で培養、歯を完全再生=マウスで成功、人への応用目指す-日歯大
歯を培養して作り上げたというものです。
内容的には歯の卵(歯胚)から歯冠になる部分を少し取り出して培養したら、歯冠、歯根、歯槽骨までできたというものです。
まだ、細胞レベルから歯を作りだすというところには達していませんが、今回の研究は歯冠、歯根、歯槽骨まで作り上げたというところが面白いです。
この研究がさらに発展し、歯、歯槽骨、歯肉、口腔粘膜までいっしょに作り上げることができれば、唇顎口蓋裂の患者さんの治療が大いに進歩するのではと思いました。
歯を作りだそうとする研究はいろんな研究機関で行われています。
今後の発展に期待します。
良いお年を
本日は歯科医院の年内最後の診療日です。
患者さんの予約が入らなかったので、朝から大掃除です。
今後の更新予定ですが、次回は年明け4日から更新します。
本年はこの拙いブログにお付き合いくださりありがとうございます。
皆様のご多幸をお祈りいたします。
宮崎の矯正歯科医
顔面写真の撮影
私の歯科医院では、矯正治療を開始される方すべてに治療計画書を渡しています。
矯正治療では治療計画を立てるときに顔面写真を撮るのが必須です。
普通に顔面写真を撮っていると、被写体の大きさがバラバラになる恐れがあり、後で治療前治療後の顔の変化の比較をするのに困ります。
証明書用の写真を撮るように、カメラと被写体の距離を規格化したいと思っていました。
そこで、歯科医院の設計のときにお願いして顔面写真専用の区画を作ってもらいました。
椅子の位置とカメラの距離が一定になり、フラッシュが被写体の後ろにも回りこむので、後ろに影ができず、気に入っています。
矯正治療中のスポーツ外傷
以前、前歯が出ているとスポーツでケガしやすいという話を書きました。
今回は矯正治療中のスポーツのケガの話です。
矯正治療では歯の表面にブラケットをつけることが多いです。
多くのケースでは歯の外側のくちびるや頬と接する面にブラケットがついています。
ブラケットの角はできるだけ滑らかに作っていますが、不意の衝撃でくちびるや頬を切る場合があります。
1998年に出された高校生のクラブ活動での口のケガに関する論文で、
矯正治療中の生徒では口のケガが多くなると発表されています。
これはサッカー、レスリング、バスケットボールの選手を対象とした論文です。
レスリングでケガが増えるのは想像に難しくないのですが、サッカーやバスケットボールなど選手同士が接触する可能性のあるスポーツでも高くなっています。
このことから、他のスポーツでも選手同士が接触する可能性のあるスポーツでは矯正治療中の選手は口のケガをしやすいと考えられます。
口のケガが矯正装置で増えるなら、その矯正装置をマウスガードでカバーすれば口のケガの予防は可能です。
矯正治療中のスポーツ選手はなるべくマウスガードを装着してください。
矯正治療をいつ始めるか
本日は日曜、定休日です。
宮崎市はくもり。
寒い朝です。
いつもの定休日は矯正関連の記事は書かないのですが、矯正治療をいつ始めるかということについて書いていきます。
患者さんご本人や家族の方に「矯正治療はいつ始めたら良いのですか」とよく聞かれます。
すべてのケースに当てはまる答えとしては、「それぞれのケースによって異なるので、一度矯正歯科医にご相談ください。」となります。
ではなぜそれぞれのケースで異なるのでしょうか?
矯正歯科医が治療計画を考えるときに、
・顔の骨格に異常がないかどうか
・歯の生え方や傾きに異常があって、咬むたびにあごがずれていないかどうか
・歯とあごの大きさが整っているかどうか
・かみ合わせに悪影響を与える癖がないかどうか
・歯の形に異常がないかどうか
・歯の数に異常がないかどうか
・顔の成長や歯に異常をきたす病気を持っていないかどうか
・成長期かどうか、いつまで成長するか
・歯の生え変わりはいつか
などの患者さんの体の問題と、
・進学や就職はいつごろか、仕事の予定はどうか
・引越しの予定があるかどうか
などの患者さんの社会環境の問題など、
様々な要素を組み合わせて考えています。
同じようなかみ合わせでも、上に挙げた要素が異なれば違った治療計画になります。
矯正治療は長期間の治療になります。
体の問題だけで治療計画を立てると、治療の継続に無理が生じ、患者さんの来院が滞る恐れがあります。
また、転居の予定を考慮せずに治療を開始すると、転医が必要となり、無駄な出費を強いる可能性や、治療期間が長くなる可能性が出てきます。
体の問題の把握、社会的背景の聞き取りには少し時間がかかります。
中にはすぐに矯正治療を始めたほうが良く、時期を逸すると治療が困難になるケースもあります。
そのため、「矯正治療はいつ始めればよいか」と疑問に思われたときは、
個々のケースで異なるので、できればすぐに矯正歯科医に一度ご相談ください。
口の周囲の筋肉のトレーニング
普段口をあけているひとは口の周囲の筋肉がうまく働いていないことが多いです。
そのようなひとは表情が乏しくなり、暗い印象を与えます。
今回はくちびると口の周囲の筋肉のトレーニングです。
くちびるの筋肉と口の周囲の筋肉は密接に関連しています。
くちびるの筋肉だけでなく、表情の筋肉を鍛えることでくちびるの機能はより向上します。
1. リップマッサージ
最初に口をかるく開けて、鼻の下を伸ばします。このとき、上くちびるで上の前歯を内側へ強く押しこむように伸ばしてください。
次に、下くちびるを上くちびるの上に大きくかぶせます。
このとき、下の歯で上くちびるを咬まないように注意してください。あくまでも下くちびるだけかぶせてください。
大きくかぶせた下唇をゆっくり下げていきます。
このとき、なるべく下くちびるで上くちびるを強くこするようにしてください。
これを10回繰り返します。
2. 上くちびるのトレーニング1
口を大きく開けて、下くちびるをゆびで押しさげます。
上くちびる(鼻の下)はできるだけ下に伸ばしてください。
この状態で、10秒間維持します。
これを5回繰り返してください。
3. 上くちびるのトレーニング2
口を大きく開けて、人差し指を鼻の下にあてます。
上くちびる(鼻の下)をゆっくりと人差し指でこすりながら下に伸ばします。
10数えるぐらいのスピードで下に伸ばしてください。
これを5回繰り返してください。
1.2.3.のトレーニングは、上の前歯が前に出ているひとに対するトレーニングとして特に効果があります。
上の前歯が出ているひとは上のくちびるが緩んでいて、上に反り返っています。
このトレーニングで反り返りを取り除きましょう。
4. 表情筋のトレーニング
鏡を見ながらトレーニングします。
鏡を見ながらイーと発音してください。
このとき、口の角はできるかぎる斜め上に引き上げるようにしてください。
写真のように、口の角があまり上がらない場合は、指をかるく添えて持ち上げてください。
持ち上がったら、指をはずし、その表情を数秒間維持してください。
次にくちびるをすぼめて突き出し、ウーと発音してください。
これを10回繰り返します。
このトレーニングではイーの発音時、ウーの発音時の表情をできるだけおおげさにするようにしてください。
やればやるほど表情の筋肉がトレーニングされ、きれいな笑顔を作れるのみならず、口の周りの血行が促進されます。
形状記憶合金
形状記憶合金のお話です。
形状記憶合金という言葉はご存知でしょうか。
Wikipediaによると、「ある温度(変態点)以下で変形しても、その温度以上に加熱すると、元の形状に回復する性質を持った合金」とされています。
この合金は矯正治療でよく使われていて、
昔の矯正治療より痛みが少なくなってきたのは、この材料の使用とその使い方の進歩によるものです。
上の写真に使用しているワイヤーは形状記憶合金の表面を白くコーティングしたワイヤーです。
上下に入っているワイヤーがまっすぐではなく、たわんでいるのがお分かりでしょうか。
マルチブラケット治療の開始当初は、ほとんどの人はどこかに歯のねじれや隣の歯とのずれなどがあり、まっすぐで硬いワイヤーを入れることが困難です。
こういうときに形状記憶合金製のワイヤーを入れます。
形状記憶合金のワイヤーは、室温ではやわらかく、変形しやすいように調整されています。
そのため口を開けてワイヤーを入れ、ワイヤーを歯に縛り付けるまでは歯のがたがたに合わせてワイヤーが変形します。
そこから口を閉じて、ワイヤーの温度が体温近くまで上昇すると、ワイヤーに組み込まれている元の形の戻ろうとする作用によって歯が動くのです。
この形状記憶合金製のワイヤーを使うたびに、最初にこのような形状記憶の性質を発見した人や、最初にこの合金を矯正治療に使用することを考えた人はすごいなと思っています。
天皇誕生日
おはようございます。
今日は天皇誕生日。
祝日です。
宮崎は晴れ。
遠くがやや霞がかっています。
私事ですが、今日誕生日を迎えました。
天皇誕生日と私の誕生日が同じなので、誕生日は仕事もせずゆっくりさせていただいてます。
ブラケットが正しい位置に付いていない場合
成人の矯正治療ではブラケットを歯の表面に付けて、歯の位置をコントロールします。
歯を動かすテクニックに合せてブラケットは色々な種類があるのですが、私が使っているブラケットはストレートワイヤー用です。
このブラケットには歯の位置をコントロールする情報が組み込まれていて、適切な位置に付けると、ワイヤーの形に合わせて歯がスムーズに動いていきます。
逆を言えば、適切な位置に付いていない、歯がでたらめな方向に動いていきます。
ブラケットの位置が赤の位置のように横にずれると、歯が上の図のように回転します。
ブラケットが適切な位置についていても、上の図のように赤のように回転して付いていると、歯の根の先がずれて動きます。
ブラケットの位置が上下にずれている場合、歯の高さが揃わないだけでなく、歯が回転します。
この3つがすべてずれていれば、歯が複雑なずれかたをしながら動きます。
そうすると、歯の動きは悪くなりますし、上下の歯がぶつかりあえば、全く動かなくなることもあります。治療期間も無駄にのびていまします。
適切な位置にブラケットを付けることが重要なのですが、歯が削れていたり、クラウンやブリッジが入っていたり、歯の形態がもともと異常な場合は正しく付けるのが難しくなってきます。
また、歯が咬みこんでいる場合、隣の歯と重なっている場合は適切な位置に付けることができないこともあります。
私はブラケットをつけるときはあらかじめ模型の上でブラケットをつけ、全体的なバランスを見ながら位置を修正し、納得した位置に並んだものをインダイレクトボンディングテクニックで歯に付けています。
ダイレクトで付けるのがもはや怖くなってきたので、少し手間はかかりますがこの方法を続けようと思っています。
セファロ
矯正では顔のレントゲン写真をとります。
このレントゲン写真を矯正歯科医はセファロ(セファログラム)と呼んでいます。
撮影することが多いのが、横顔を撮ったものと(上の写真左)、前後方向を撮ったもの(上の写真右)です。
横顔を撮っているところです。
本当は顔を壁の方に向けて撮影するのですが、うまく作れませんでした。ご容赦ください。
顔の横にある黒い板で両耳を固定して、頭がずれないようにします。
耳と目の下を結んだ線が床に平行になるようにして、毎回撮影します。
頭の角度、X線と頭とX線フィルム(もしくはイメージングプレートなど)の距離を毎回同じにしています。
できたレントゲンは実物の1.1倍の大きさになります。
このように毎回同じ撮り方でレントゲンを撮ると、
・成長によるあごの大きさの変化
・治療前後の歯の位置の違い
・他の人との比較
など、色々なことを見ることができます。
治療前と治療後