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2010.11.23

外科的矯正治療 2.治療費負担、高額療養費、入院・通院特約

何度も繰り返していますが、外科的矯正治療における歯科矯正は、認可された医療機関でのみ保険で治療が行えます。

手術に関しても保険で治療が行えます。

しかし、保険で矯正治療を行えない医療機関で矯正治療を行うと、手術に関しても保険で行うことができません。

外科的矯正治療は自費の矯正治療と異なり、高額療養費の対象となります。

この高額療養費は、同じ月に同じ医療機関でかかった費用を世帯で合算し、自己負担限度額を超えた分について支給されます。

高額療養費の算定は以下の内容に基づいて考えられます。

同じ月で算定する。7月15日から8月14日のように月をまたぐことはできない。
・多数回該当とは過去12か月間の間に既に高額療養費が支給されている月が3回以上ある場合をさす。
同一の医療機関でのみ適用される。同じ病院の診療科でも歯科は別とみなされ、旧総合病院は診療科ごとに別とみなされる。
・同一の医療機関でも入院の自己負担と外来の自己負担は区別される。
・院外薬局の場合は、それと対応する病院又は診療所における療養に要した費用と合算する。
入院時の食事療養、生活療養にかかる自己負担、保険適用外(自費)の費用は対象外となる。

高額療養費の算定方法は70歳未満と70歳以上で異なります。

外科的矯正治療を受ける患者さんはほとんどが70歳未満と思いますので、70歳未満の算定方法を以下に挙げます。

1. 高額療養費の基本的な算定方法

・上位所得者(被保険者の標準報酬月額が53万円以上)の場合: (10割相当医療費-500,000円)×0.01+150,000円
・一般(被保険者の標準報酬月額が53万円未満)の場合: (10割相当医療費-267,000円)×0.01+80,100円
・低所得者(市区町村民税の非課税者等)の場合: 35,400円

2. 多数該当(過去12か月間の間に既に高額療養費が支給されている月が3回以上ある場合)

高額療養費支給の4回目以降は自己負担額がさらに減額されます。

・上位所得者(被保険者の標準報酬月額が53万円以上)の場合: 83,400円
・一般(被保険者の標準報酬月額が53万円未満)の場合: 44,400円
・低所得者(市区町村民税の非課税者等)の場合: 24,600円

3. 同一世帯で同月内に自己負担額が21,000円以上となった被保険者や被扶養者が2人以上いる場合

自己負担額を合算して1.2.の自己負担限度額を超えた場合も払い戻されます。

一般的な外科的矯正治療患者さんの場合、1.の対応となります。

例として、10割相当医療費が100万円(3割負担の場合、高額療養費の適用がなければ30万円の自己負担)の場合、

上位所得者は15万5000円となり14万5000円の軽減、

一般は8万7430円となり21万2570円の軽減、

となります。

高額療養費の申請をする場合は、

入院前に、国民健康保険の場合は市町村役場、全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合は全国健康保険協会の各都道府県支部、勤め先の健康保険組合に高額療養費限度額適用認定証の申請を行なってください。

交付された認定証を医療機関出せば、自己負担限度額の支払いだけで済みます。

事前に申請していなければ、窓口で高額療養費の支給額と自己負担額を合わせた費用を一旦支払い、後で高額療養費を請求することになります。

負担軽減として、他に忘れてはいけないのが入院特約通院特約です。

外科的矯正治療は対象になりますので、しっかり請求しましょう。

外科的矯正治療の場合、保険適用、医療費控除、高額療養費、入院・通院特約を組み合わせると、自己負担はかなり軽減されます。

ぜひ請求忘れがないように、しっかりと負担を軽減してください。

2010.11.22

外科的矯正治療

かみ合わせの改善で、骨格的な異常が大きく歯の移動だけでは改善できない、改善が困難、もしくは改善ができても安定が望めないとき、外科的矯正治療を行うことがあります。

外科的矯正治療とは、歯の矯正治療とあごの骨の手術(顎矯正手術)を組み合わせた治療です。

以前にも述べましたが、外科的矯正治療は都道府県で認可された医療機関で矯正治療と顎矯正手術を受ける場合は保険が適用されます。

一般的な治療の流れとして、

1.初診
2.検査(写真、レントゲン、歯型、あごの動きの検査、あごの筋肉の筋電図検査)
3.診断、治療計画の立案
4.手術前の矯正治療
5.手術直前の検査
6.入院、手術
7.手術後の矯正治療
8.矯正装置の撤去、保定(咬みあわせを落ち着かせる治療)開始時の検査
9.保定終了
10.経過観察

の順に治療が進みます。

この治療方法は書き始めれば長くなるので、何回かに分けて書いていこうと思います。

2010.11.21

通算アクセス数1000達成

昨日、アクセス数が通算1000を超えていたようです。

 

みなさん、ありがとうございます。

 

まめに更新できるよう頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

 

宮崎の矯正歯科医

2010.11.21

医療費控除

日曜定休日。

自宅からお届けしています。

宮崎は晴れ。

本日はちょいネタです。

年末調整の時期です。

矯正治療の費用も医療費控除の対象になるのをご存知ですか?

もし、税務署から対象に当たらないといわれた場合、矯正歯科医院で診断書を書いてもらえば大丈夫です。

あと、医療費控除を忘れていた(しなかった)領収書は5年間利用可能なのをご存知ですか?

10万円を超えないからと思って医療費控除の申請をしない場合は、翌年の申請に回してはいかがでしょうか。

では、こどもの運動会にいってきます。

2010.11.20

できるだけすぐに矯正治療を行いたいこどものかみ合わせ 2

すぐに矯正治療を行いたいこどものかみ合わせの2回目です。

 

こどもの受け口の場合、歯の傾きの異常によるものが多いです。

この患者さんは上の前歯と下の前歯で咬むことができます。

しかし、いつも咬んでいるところで咬んでもらうと、写真のように下の前歯が前になるように咬みます。

この状態を長期間放置するとどのようになるでしょうか。

上の図は長期間放置した場合の変化を表した模式図です。

左の黒の線が、咬むときに前歯が当たった時の状態。

左の青の線が、前歯の影響を考えないで咬みこんだときの状態です。

そのまま咬みこむと上の前歯と下の前歯が重なっています。

実際にはこのように咬むことができませんので、前歯をずらして咬むようになります。

真ん中の赤の線が、下の前歯が前にずれて咬みこんだときの状態です。

下あごは前にずれますので、あごの関節は本来の位置より前にずれます(矢印の方向)。

この状態を長く続けると、下あごの骨は本来の位置に関節を戻そうとするように形を変化させます。

右の緑の線が、下の前歯は前にずれたところで咬み、下あごの関節は本来の位置に戻った状態です。

結果、下あごの骨は赤の線から緑の線に大きくなってしまいます。

歯の傾きの異常による受け口が、下あごの骨の大きさや形の異常、つまり骨格的な異常による受け口になってしまいます。

一度大きくなってしまった骨は元に戻すことは、手術をしないかぎりできません。

このように上下の前歯の先で咬める受け口は、なるべく早期に治療することが必要になります。

上の患者さんの現在の状態です。

まだ治療中ですが、最初の時に比べ前歯のかみ合わせが改善し、下あごが後ろにさがりました。

こどもの受け口は早期に治療すれば良好な結果が得られることが多いですので、気付いた時にはぜひ相談してください。

2010.11.19

できるだけすぐに矯正治療を行いたいこどものかみ合わせ 1

お母さんからお子さんのかみ合わせの相談を受けるとき、すぐに治療を始めた方が良いのかどうかを良く聞かれます。

すぐに矯正治療を行いたいこどものかみ合わせについて書きたいと思います。

こどものかみ合わせを見るとき、

・骨の大きさや形が悪いのか、
・咬みこむときに上の歯と下の歯の当たり方が悪くて、あごをずらして咬んでいるのか、
・歯並びに関係するくせがあり、すぐに取り除いた方がよいかどうか、
・かみ合わせが悪い場合、一時的に悪く、時間が経てば改善するのかどうか、
・どの時期にかみ合わせのどのように改善すれば良いか、その上でいつ治療を開始すればよいか、

などについて考えています。

これらを考えるときに、できるだけすぐに矯正治療を始めた方が良いですよと答えることが多いのが、

咬みこむときに上の歯と下の歯の当たり方が悪くて、あごをずらして咬んでいる場合です。

成長期のお子さんでは、身長が伸びるときに手足の骨だけでなくあごの骨も大きくなっています。

人間の骨は生活している環境に合せて、骨の形や強度を変えていきます。

上の写真は左の奥歯が反対に咬んでいる患者さんです。

この患者さんは少し口をあけると、上の歯の真ん中と下の歯の真ん中が合いますが、

咬むときに左の上の奥歯と下の奥歯が変なふうに当たり、下あごを左にずらして咬んでいます。

咬むたびにあごを左にずらしているので、下あごの骨には左にずらせよう、ずらせようという力がかかっています。

下あごの骨はこの左にずらせようという力に対応して骨の形を作り変えようとしますので、長期間放置していると下あごの骨は左右でずれた形に変わってしまいます。

そのため、小さなお子さんであごをずらして咬んでいる場合は、下あごの骨の形が変わってしまわないように早期に矯正治療を行うことが必要です。

上の写真の患者さんはまだ3歳でしたが、すぐに矯正治療を開始して上の歯並びを少し広げました。

治療後の写真です。

上の歯の真ん中と下の歯の真ん中が合い、あごをずらして咬むことがなくなりました。

こどものかみ合わせの異常の多くはしばらく様子を見ていても大丈夫ですが、中にはすぐに始めた方が良い場合がありますので注意が必要です。

2010.11.18

院内家具

今日は定休日。

自宅でゆっくり過ごしています。

宮崎は晴れ。

日当たりの良い窓際はぽかぽかしています。

昨日は記事を仕込むひまがなく、自宅で書いてますので、診療内容以外のネタです。

歯科医院を設計してもらったときのコンセプトが、「ホテルのロビーのようなゆったりとした感じで」です。

そのため、内装もシックな感じにしてもらいました。

院内家具もゆったりと長時間座っていて苦痛でないもの、おしゃれなものを探しました。

機能的に優れていて、おしゃれなものとなるとヨーロッパなどの輸入家具が浮かびます。

でも、あまり高いものは手が出ません。

そんなとき、大家さんからe-comfortという会社を紹介していただきました。

この会社が扱っているのは、ヨーロッパなどのデザイナーズ家具で、発表から時間が経ってジェネリックとして売り出すことができるようになった家具です。ジェネリックなので、正規品に比べとても安価です。

私の歯科医院では、スワンイージーチェアと、今はe-comfortのカタログからはなくなったマラルンガを購入しました。

どちらも、革ではなくファブリックを張ってもらいました。

ジェネリックですが、座り心地は良いです。

内装とマッチしていて、とても気に入っています。

2010.11.17

親知らずと歯根吸収

2010年11月12日のブログで親知らずと骨折について書きました。

今回は親知らずと歯根吸収についてです。

歯根吸収は歯の根っこの部分が溶かされたり、短くなったりすることです。

矯正治療中に根っこの先が短くなることがしばしばありますが、埋まっている歯の方向が悪くて、埋まっている歯のエナメル質が隣接する歯の根っこに当たると根っこを溶かす場合があります。

上のレントゲンは下の左右の親知らずが斜めを向き、前の第二大臼歯の根っこにあたっている患者さんのものです。

親知らずと第二大臼歯の部分だけ拡大します。

矢印の親知らずと第二大臼歯の重なった部分、第二大臼歯の根っこが横から溶かされています。

ここまでくると、親知らずを抜いても第二大臼歯が元に戻ることはなく、歯が長く持たないので第二大臼歯を抜歯し、親知らずを第二大臼歯のかわりに使うことにしました。

左の第二大臼歯を抜歯した後です。右はこの後に抜きました。

矯正治療で親知らずを前に動かし、上の歯と咬ませました。

この患者さんの場合、高校生ぐらいで歯科医院を受診して、親知らずのレントゲンを撮る機会があれば、親知らずを抜く方法を選択したかもしれません。

でも、訴えもなければ親知らずのレントゲンをわざわざ撮ることもできないのから仕様がありません。

行政が決断して、小中高校生くらいの健康診断でパノラマ撮影をルーチンに導入してくれればいいなー。

埋まっている親知らずは、自覚症状がなくてもこのような悪影響を及ぼすことがあります。

親知らずが生えていない人は、どこか記憶の片隅にでも入れていただければ幸いです。(親知らずが最初からない人は別ですが。)

2010.11.16

白鵬

昨日、白鵬関が稀勢の里関に敗れ。連勝記録がストップしました。

記録更新を見たかった半面、稀勢の里関がよく連勝を止めたという気持ちもあります。

白鵬関は入門当時はまだまだ体も小さく、16歳頃の身長175cmは、体重68kgでした。

よく食べ、よく練習することでどんどん体が大きくなっていったそうです。

現在は身長192cm、体重154kgだそうです。

しかし、体が大きくなって、相撲が強くなる反面、大関昇進前に睡眠時無呼吸症候群をわずらっていました。

今の相撲界で白鵬関の力が抜きん出てていますが、そのころの白鵬関は負けることが多かったです。

2006年に睡眠時無呼吸症候群と診断され、C-PAP(寝るときに鼻から空気を送り込み、呼吸を助ける装置)を装着するようになり、よく眠れるようになったそうです。

以降は負けることが少なくなりました。

白鵬関のような身体能力抜群な人でもしっかりと眠ることができなければ力を発揮することができないのです。

朝なかなかすっきりと起きられない人、夜の眠りが浅い人は睡眠の質が悪い場合があります。仕事、学業、運動にも悪影響が出ている可能性があります。一度、耳鼻科や呼吸器内科を受診されてみてはいかがでしょうか。

2010.11.15

2階のカフェ、フレンチレストラン

今日は日曜診療の代休日です。

宮崎は晴れ、暖かい1日です。

私の歯科医院の2階にはカフェ(Cafe Forget me not)とフレンチレストラン(Forget me not)があります。

入り口は異なるのですが、厨房はひとつです。

値段も手頃で、特にフレンチの方は品数も豊富で満足感があります(夜はコースで2500円くらいから、昼は1500円くらいからだったと思います)。

30代後半からあまりくどいものを食べると胃もたれをするようになっていましたが、

ここのフレンチはあまり重たくなく、すっきりと食べることができます。

結構人気のお店で、昼は駐車場がいっぱいになることが多いです。

お店のホームページを見つけることができなかったので、食べログのページを貼り付けておきます。

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