ホワイトニング用測色器とホワイトニングシミュレーションソフト
歯の色調を測定する機械と、ホワイトニングの効果を事前にシミュレーションするソフトを導入しました。
歯の漂白をしていていつも感じているのは、歯科医師が考える色調の変化と患者さんが期待する色調の変化がかならずしも一致していないということです。
歯科医師としてはかなり白くなったと思っていても、患者さんの期待ほど白くなってなければ患者さんはがっかりします。
事前にこの程度白くなりますよというシミュレーションができればそうしたことが防げるのではと考え、購入することにしました。
これが色調を測定する機械です。
歯の表面に押し当て、色調を測定します。
このデータとその他の患者さんの情報をソフトに入力すると、
漂白の難易度や、漂白後の予測が提示されます。
客観的に何段階白くなると表示できるのは本当に助かるなと思いました。
美容関連の医療広告の規制について
共同通信の記事から以下転載
HPで施術前後の写真だめ 厚労省、美容クリニックに指針
厚生労働省は15日までに、美容整形や脱毛、脂肪吸引などを行う医療機関を対象に、ホームページ(HP)での宣伝を規制する指針を、2012年度中に策定することを決めた。限られた成功例を強調する施術前後の写真や患者の体験談は、掲載を禁じる方針だ。
医療機関の広告は医療法で厳しく制限され、雑誌広告などは現状でもこうした表現が禁止されているが、HPは対象外。美容クリニックなどのHPを見て訪れた患者が高額な費用を請求されたり、施術結果が不本意だったりといったトラブルが増え、厚労省はルールが必要と判断した。
2012年度中に策定とのことで、厚生労働省のHPからは具体的な内容は得られませんでした。
矯正治療とホワイトニングを行っている歯科医院としてはどこで線引きをされるのかが心配です。
ホワイトニングの場合、白くなる程度は人によって違うので規制の対象になるかもしれませんね。
1か月ぶりの更新
長らくご無沙汰していました。
1か月ぶりの更新です。
学会が終わったあと色々と忙しく、気がつくと時間が過ぎているという毎日でした。
夏休みから学会までの間は初診の患者さんは子供の患者さんばかりでしたが、学会後はなぜか成人の矯正希望の患者さん、ホワイトニング希望の患者さんが多くなり、子供の患者さんは数えるほどでした。
成人患者さんの治療計画立案、ホワイトニングはともに結構時間がかかり、同時並行で矯正装置の製作(相変わらず外注せず、自分で作っています)をしていると時間が足りなくなり、休日も出勤して治療計画の立案や装置製作をしている状態です。
その忙しい状態もそろそろ落ち着いてきたので、またぼちぼちとブログを更新していきたいと思います。
ホームホワイトニング用セット
5月にくらべ6月は今のところ1日の患者数が減っています。
今日も1日で3人しか診療していない状態です。
そんな状態なので、ホワイトニング希望で来られた患者さんのホームホワイトニング用のトレーをのんびり作っていました。
ホームホワイトニングにはDayWhite(昼間、短時間用)とNiteWhite(夜用、Nightのスペルミスではありません)を用意していますが、DayWhiteの希望は今まで一人もいません。
使わないまま廃棄処分かな。
ホワイトニング 6. その他
その他の歯を白くする方法についてです。
歯をぶつけたりして神経が死んでしまうと歯が黒く変色してくる場合があります。
こうなると神経を除去し、神経の入っていた穴をきれいにして中に詰め物をする必要があります。
このような歯の色を白くするために、神経の穴の処理をしっかりしたあと歯の中から漂白する場合もあります。
薬の影響によって歯が変色している場合、
漂白などでは患者さんがのぞむ歯の色にすることは難しいです。
そのようなとき、神経が生きている歯では歯の表面を薄く削ってラミネートベニアを貼り付けたり、
神経が死んでいる場合は補綴で歯の色を整えます。
ここまで6回に分けてホワイトニングについて書いてきました。
このシリーズは今回で終了です。
ホワイトニング 5. 修復
ホワイトニングの5回目です。
以前にも書きましたが、人工物にはホワイトニングの効果が及びません。
もともと人工物は周囲の歯の色に合わせて作られるので、周囲の歯をホワイトニングによって白くした場合、修復物の色だけ元の周囲の色のままになります。
そこで必要になるのが修復物を新しくやりなおすことです。
プラスチックの詰め物の場合、
詰め物を除去し、
プラスチックを新しい歯の色に合わせて詰め、
光を当てて固め、
最後に磨いて完成です。
かぶせものの歯の場合は少し大変で、
かぶせものを除去し、
型どりと色合わせをして、
完成した新しいかぶせものを入れます。
このように、手間と費用がかかりますので、白い歯を手に入れたいという希望のある人は虫歯などを作らないようにしていただければと思います。
ホワイトニング 4. 歯のコーティング
歯のホワイトニングシリーズ4回目です。
歯の表面からのホワイトニングでどうしても白くならない歯というものがあります。
たとえば、薬の副作用で変色した歯、神経が死んで変色した歯、修復物が入っている歯などです。
神経が死んで変色した歯は歯の中から漂白していけば白くなります。
修復物の入っている歯は修復物をやり直せば歯を白く見せることも可能です。
薬の副作用で変色した歯は、虫歯のない健全な歯でも白く見せようとすると歯の表面を削ってラミネートべニアなどを貼り付けるといった治療になります。
いずれの方法も短時間でというのは難しく少し時間がかかります。
ごく短時間で白く見せたいときなどに使用される方法として、歯のマニキュアとかコーティングといわれる方法があります。
これは歯の表面に白いコーティング材を薄く一層盛り足して、元の歯より白く見せる方法です。
1,2回の来院で白く見せることができる簡単な手法なのですが、衝撃に弱いため、一時的な方法と考えていただいた方が良いです。
ただし、急な用件で一時的でも良いので歯を白くしたい場合に有効です。
このコーティングは金属の上にも施すことができますが、咬む面には使えませんので、下の歯には使えないと考えてください。
株式会社松風 ビューティーコートのカタログから写真転載
ホワイトニング 3. オフィスホワイトニング
ホワイトニングシリーズ3回目はオフィスホワイトニングです。
オフィスホワイトニングは歯科医院で行う歯の漂白(ブリーチング)です。
ホームホワイトニングと違い歯科医院で短期間で行う漂白なので、かなり強い漂白剤を使っています。
手順としては、
1.歯の表面の汚れを落とし、
2.薬剤が歯ぐきに付かないように、歯ぐきの上に保護材を付けます。
紫外線を使用するものでは口や顔の上に紫外線防護用の布などをかぶせる場合もあります
3.漂白する歯の上に薬剤をのせ、一定時間漂白を行います。紫外線を使用するものはその間に紫外線照射を行います。
4.漂白時間が終了したら、薬剤を丁寧に除去し、歯肉保護材を取り除きます。
私の歯科医医で使用しているのは紫外線などの照射の必要のない薬剤(Opalescence boost)ですが、
照射するものが一般的です。
オフィスホワイトニングは短時間で漂白できるところは良いのですが、かなり白くするには回数を繰り返す必要があります。
その分費用がかさみますので、最初に短時間で色を白くし、そのあとゆっくり自宅で臨む白さまで漂白を行う、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの組み合わせをお勧めしています。
ホワイトニング 2. ホームホワイトニング
ホワイトニングシリーズ2回目はホームホワイトニングです。
ホームホワイトニングは自宅で行うホワイトニングで、歯を漂白(ブリーチング)して歯を白くする方法です。
ホームホワイトニングの方法は、
1.歯科医院で歯の表面を徹底的にクリーニングし、
2.歯科医院で歯型を採って、ホワイトニング用のトレーを作ります。
3.自宅で漂白を始める前によく歯磨きをして、歯をきれいにします。
4.トレーに薬剤を適量入れて、歯に装着し、漂白を始めます。
5.適当な時間漂白を行ったら、トレーをはずし、口をしっかり漱ぎます。
6.トレーもしっかりと荒い、次回ホワイトニングを行うまで冷暗所で保存します。
といった手順で行います。
薬剤は一般的には過酸化尿素を使用していますが、より効果の強い過酸化水素をしようしている薬剤もあります。
使用する時間は、日中短時間使用するものもありますが、夜間睡眠中に使用するのが一般的です。
私の歯科医院では日中使用、夜間使用を選べるように両方取り揃えていますが、ほとんどみなさん夜間使用を選ばれています。
ホワイトニングの効果としては時間をかけて漂白できるので、かなり白くなります。
また、薬剤のシリンジがなくなっても、シリンジを追加で購入してホワイトニングを継続することができます。
ただし、あまりホワイトニングを継続しすぎると、知覚過敏がでやすくなるので注意してください。
ホワイトニング 1. 歯のクリーニング
昨年10月22日の記事でホワイトニングには様々な方法があると書きました。
実際に歯を白くしたいという患者さんの話を聞いてみると、どう白くしたいのか、どの部分が気になっているのか様々です。
そこで、今日からしばらく様々な歯を白くする方法(ホワイトニング)について書いていきます。
歯の色は様々な原因によって作られています。
その中でも、歯の表面に付く色は生活習慣などですぐに付いていきます。
特に、歯磨きが十分でない部分にはごく短期間でつきます。
上の写真をみてわかるように、歯が少し黄色くなっているのは歯と歯の間、歯の裏側、奥歯です。
磨き残しが長期間残れば、歯に付着した歯垢に唾液に含まれるカルシウムが沈着し、歯石になります。
歯石ができると歯磨きでは落とせなくなります。
歯の表面に歯石や歯垢など、ざらついたものやねばねばしたものが付いていると、そこに色が付きやすくなります。
ただし、いくら歯をつるつるにしても、歯磨きが十分に行えないと、再び色がついてしまいます。
この歯のクリーニングは虫歯や歯周病予防にも効果的です。
定期的に歯科医院で行ってもらえば、きれいな歯とお口の健康を保つことができます。
美容院などで髪を定期的に整えてもらうのと同じように、歯科医院で定期的に行ってみて歯いかがでしょうか。