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2010.12.26

矯正治療をいつ始めるか

本日は日曜、定休日です。

宮崎市はくもり。

寒い朝です。

いつもの定休日は矯正関連の記事は書かないのですが、矯正治療をいつ始めるかということについて書いていきます。

患者さんご本人や家族の方に「矯正治療はいつ始めたら良いのですか」とよく聞かれます。

すべてのケースに当てはまる答えとしては、「それぞれのケースによって異なるので、一度矯正歯科医にご相談ください。」となります。

ではなぜそれぞれのケースで異なるのでしょうか?

矯正歯科医が治療計画を考えるときに、

・顔の骨格に異常がないかどうか
・歯の生え方や傾きに異常があって、咬むたびにあごがずれていないかどうか
・歯とあごの大きさが整っているかどうか
・かみ合わせに悪影響を与える癖がないかどうか
・歯の形に異常がないかどうか
・歯の数に異常がないかどうか
・顔の成長や歯に異常をきたす病気を持っていないかどうか
・成長期かどうか、いつまで成長するか
・歯の生え変わりはいつか
などの患者さんの体の問題と、

・進学や就職はいつごろか、仕事の予定はどうか
・引越しの予定があるかどうか
などの患者さんの社会環境の問題など、

様々な要素を組み合わせて考えています。

同じようなかみ合わせでも、上に挙げた要素が異なれば違った治療計画になります。

矯正治療は長期間の治療になります。

体の問題だけで治療計画を立てると、治療の継続に無理が生じ、患者さんの来院が滞る恐れがあります。

また、転居の予定を考慮せずに治療を開始すると、転医が必要となり、無駄な出費を強いる可能性や、治療期間が長くなる可能性が出てきます。

体の問題の把握、社会的背景の聞き取りには少し時間がかかります。

中にはすぐに矯正治療を始めたほうが良く、時期を逸すると治療が困難になるケースもあります。

そのため、「矯正治療はいつ始めればよいか」と疑問に思われたときは、

個々のケースで異なるので、できればすぐに矯正歯科医に一度ご相談ください。

2010.12.25

口の周囲の筋肉のトレーニング

普段口をあけているひとは口の周囲の筋肉がうまく働いていないことが多いです。

そのようなひとは表情が乏しくなり、暗い印象を与えます。

今回はくちびると口の周囲の筋肉のトレーニングです。

くちびるの筋肉と口の周囲の筋肉は密接に関連しています。

くちびるの筋肉だけでなく、表情の筋肉を鍛えることでくちびるの機能はより向上します。

1. リップマッサージ

最初に口をかるく開けて、鼻の下を伸ばします。このとき、上くちびるで上の前歯を内側へ強く押しこむように伸ばしてください。

次に、下くちびるを上くちびるの上に大きくかぶせます。

このとき、下の歯で上くちびるを咬まないように注意してください。あくまでも下くちびるだけかぶせてください。

大きくかぶせた下唇をゆっくり下げていきます。

このとき、なるべく下くちびるで上くちびるを強くこするようにしてください。

これを10回繰り返します。

2. 上くちびるのトレーニング1

口を大きく開けて、下くちびるをゆびで押しさげます。

上くちびる(鼻の下)はできるだけ下に伸ばしてください。

この状態で、10秒間維持します。

これを5回繰り返してください。

3. 上くちびるのトレーニング2

口を大きく開けて、人差し指を鼻の下にあてます。

上くちびる(鼻の下)をゆっくりと人差し指でこすりながら下に伸ばします。

10数えるぐらいのスピードで下に伸ばしてください。

これを5回繰り返してください。

1.2.3.のトレーニングは、上の前歯が前に出ているひとに対するトレーニングとして特に効果があります。

上の前歯が出ているひとは上のくちびるが緩んでいて、上に反り返っています。

このトレーニングで反り返りを取り除きましょう。

4. 表情筋のトレーニング

鏡を見ながらトレーニングします。

鏡を見ながらイーと発音してください。

このとき、口の角はできるかぎる斜め上に引き上げるようにしてください。

写真のように、口の角があまり上がらない場合は、指をかるく添えて持ち上げてください。

持ち上がったら、指をはずし、その表情を数秒間維持してください。

次にくちびるをすぼめて突き出し、ウーと発音してください。

これを10回繰り返します。

このトレーニングではイーの発音時、ウーの発音時の表情をできるだけおおげさにするようにしてください。

やればやるほど表情の筋肉がトレーニングされ、きれいな笑顔を作れるのみならず、口の周りの血行が促進されます。

2010.12.24

形状記憶合金

形状記憶合金のお話です。

形状記憶合金という言葉はご存知でしょうか。

Wikipediaによると、「ある温度(変態点)以下で変形しても、その温度以上に加熱すると、元の形状に回復する性質を持った合金」とされています。

この合金は矯正治療でよく使われていて、

昔の矯正治療より痛みが少なくなってきたのは、この材料の使用とその使い方の進歩によるものです。

上の写真に使用しているワイヤーは形状記憶合金の表面を白くコーティングしたワイヤーです。

上下に入っているワイヤーがまっすぐではなく、たわんでいるのがお分かりでしょうか。

マルチブラケット治療の開始当初は、ほとんどの人はどこかに歯のねじれや隣の歯とのずれなどがあり、まっすぐで硬いワイヤーを入れることが困難です。

こういうときに形状記憶合金製のワイヤーを入れます。

形状記憶合金のワイヤーは、室温ではやわらかく、変形しやすいように調整されています。

そのため口を開けてワイヤーを入れ、ワイヤーを歯に縛り付けるまでは歯のがたがたに合わせてワイヤーが変形します。

そこから口を閉じて、ワイヤーの温度が体温近くまで上昇すると、ワイヤーに組み込まれている元の形の戻ろうとする作用によって歯が動くのです。

この形状記憶合金製のワイヤーを使うたびに、最初にこのような形状記憶の性質を発見した人や、最初にこの合金を矯正治療に使用することを考えた人はすごいなと思っています。

2010.12.23

天皇誕生日

おはようございます。

今日は天皇誕生日。

祝日です。

宮崎は晴れ。

遠くがやや霞がかっています。

私事ですが、今日誕生日を迎えました。

天皇誕生日と私の誕生日が同じなので、誕生日は仕事もせずゆっくりさせていただいてます。

2010.12.22

ブラケットが正しい位置に付いていない場合

成人の矯正治療ではブラケットを歯の表面に付けて、歯の位置をコントロールします。

歯を動かすテクニックに合せてブラケットは色々な種類があるのですが、私が使っているブラケットはストレートワイヤー用です。

このブラケットには歯の位置をコントロールする情報が組み込まれていて、適切な位置に付けると、ワイヤーの形に合わせて歯がスムーズに動いていきます。

逆を言えば、適切な位置に付いていない、歯がでたらめな方向に動いていきます。

ブラケットの位置が赤の位置のように横にずれると、歯が上の図のように回転します。

ブラケットが適切な位置についていても、上の図のように赤のように回転して付いていると、歯の根の先がずれて動きます。

ブラケットの位置が上下にずれている場合、歯の高さが揃わないだけでなく、歯が回転します。

この3つがすべてずれていれば、歯が複雑なずれかたをしながら動きます。

そうすると、歯の動きは悪くなりますし、上下の歯がぶつかりあえば、全く動かなくなることもあります。治療期間も無駄にのびていまします。

適切な位置にブラケットを付けることが重要なのですが、歯が削れていたり、クラウンやブリッジが入っていたり、歯の形態がもともと異常な場合は正しく付けるのが難しくなってきます。

また、歯が咬みこんでいる場合、隣の歯と重なっている場合は適切な位置に付けることができないこともあります。

私はブラケットをつけるときはあらかじめ模型の上でブラケットをつけ、全体的なバランスを見ながら位置を修正し、納得した位置に並んだものをインダイレクトボンディングテクニックで歯に付けています。

ダイレクトで付けるのがもはや怖くなってきたので、少し手間はかかりますがこの方法を続けようと思っています。

2010.12.21

セファロ

矯正では顔のレントゲン写真をとります。

このレントゲン写真を矯正歯科医はセファロ(セファログラム)と呼んでいます。

撮影することが多いのが、横顔を撮ったものと(上の写真左)、前後方向を撮ったもの(上の写真右)です。

横顔を撮っているところです。

本当は顔を壁の方に向けて撮影するのですが、うまく作れませんでした。ご容赦ください。

顔の横にある黒い板で両耳を固定して、頭がずれないようにします。

耳と目の下を結んだ線が床に平行になるようにして、毎回撮影します。

頭の角度、X線と頭とX線フィルム(もしくはイメージングプレートなど)の距離を毎回同じにしています。

できたレントゲンは実物の1.1倍の大きさになります。

このように毎回同じ撮り方でレントゲンを撮ると、

・成長によるあごの大きさの変化
・治療前後の歯の位置の違い
・他の人との比較
など、色々なことを見ることができます。

治療前と治療後

2010.12.20

舌の癖の除去 5. レッスン3

今までのレッスンはクリアできたでしょうか?

できない人は今までのレッスンを繰り返してください。

クリアできた人は次へすすみます。

舌の癖の除去、レッスン3です。

1. フルフルスポット

舌を細くして左右に振ります

なるべく早く動かしてください。

次にすばやくスポットに舌の先を付けます。スポットに付けるときは口を閉じないようにしてください。

これを繰り返してください。

2. カッ、スワロー

飲み込む時の舌の付け根の部分(舌根部)と、口の天井の奥の部分(軟口蓋)の動きを覚える訓練です。

少し上を見ながら、口をあけて指3本縦に口の中に入れます。

この状態で、「カッ」とはっきり声を出してください。

このときののどの動きの感覚をよく覚えてください。

次は同じくらい口を開けて、鏡でのどの奥を見ながら、「カッ」とはっきり声を出してください。

これが飲み込む時の、舌の付け根の部分(舌根部)と口の天井の奥の部分(軟口蓋)の正しい動きです。

次に同じくらい口を開けて、鏡でのどの奥を見ながら、口の中にスプレーで少量水を入れます。

「カッ」と声を出した時ののどの動きを思い出しながら、同じようにのどを動かして水を飲んでください。

この一連の練習を6回繰り返します。

飲む込む時はむせたりしないように注意してください。

のどを上手に動かせないとき、口を大きく開けて「カッ」と発音できずに、「ハッ」という発音になる場合があります。

そんなときは、指の数を減らし、指2本でトレーニングしてください。

指2本でもできないときは、指1本でも良いです。

発音ができるようになったら、指の数を増やしてください。

3. リップポスチャー

安静時のくちびるの訓練です。

下くちびるの裏に入れる綿を用意します。

歯科医院で使用するロールワッテが用意できる場合はそれを使用してください(上の写真左)。

用意できない場合は、薬局などで売っている角型の綿(上の写真真ん中)を丸め、糸でしばってください(上の写真右)。

丸まった綿を下くちびるの裏側に入れます。

舌の先はスポットに付け、奥歯は軽く咬みながら、30分間くちびるを閉じてください。

くちびるを開けてはいけません。

テレビを見ながら、本を読みながらなど、何かしながら30分間維持してください。

できましたでしょうか?

舌の訓練は根気強く継続することが重要です。

無意識の時でもできるようになるためには、簡単に思える練習でも意識をしながら継続することで癖がとれてきます。

2010.12.18

上顎前突とスポーツ外傷

久しぶりにマウスガードやスポーツ外傷に関わるお話です。

コンタクトスポーツ、球技、レースなどでは、転倒や激突時に歯を折ったり、脱臼したり、くちびるを切ったりすることがあります。

ところで、スポーツをしているときに、歯やくちびるをけがしやすい歯並びがあります。

上顎前突(出っ歯)です。

1993年に発表された外国の論文に、

「上の前歯が下の前歯より4mm以上出ている人、上くちびるが短い人、口をポカーンと開けている人、口で呼吸をする人は歯やくちびるのけがが多い。」

「上の前歯と舌の前歯の距離が4mmの人は2mmの人の2倍ケガをしやすく、10mm以上ある人の29.4%がケガをしている。」

という報告があります。

コンタクトスポーツ、球技、レースをする人で、上の前歯が出ている人は矯正治療をお勧めします。

 

2010.12.17

舌の癖の除去 4. レッスン2

舌の癖の除去、レッスン2です。

1. スラープスワロー

用意してほしいものは、ストローとスプレーです。

まず、舌の先をスポットにつけます。

次に小臼歯のあたりでストローを咬みます。

このとき、舌の先はスポットについているので、ストローは舌の下を通っています。

口角(矢印で示したくちびるの端)からスプレーで水を少し入れます。

舌の先はスポットに付けたまま、ストローは咬んだまま、水を奥歯の間から吸い込み、舌の上(舌の真ん中あたり)に集めます。

くちびるは閉じないように、この状態で水を飲み込んでください。

舌はストローで邪魔をされて、下に下がることなく、飲み込むことができるはずです。

これが正しい飲み込み方です。この動きを覚えましょう。

2. バイト

舌の癖があるひとは、飲み込むときに歯をかみ合わせていなかったり、食事を良く咬んでいないことが多く、咬む筋肉(咀嚼筋)がしっかりと機能していないことが多いです。

咀嚼筋のトレーニングとして、かみ締めを行います。

このトレーニングには注意が必要で、顎関節症のひとは症状を悪化させる可能性があるので控えてください。

あごのえら(耳の下で下あごの角の部分)の少し上を両手で触ります。

舌の先をスポットにつけたまま、奥歯を力いっぱい3秒間かみ締めます。

このとき、えらの上の筋肉(咬筋)が動くのを確かめてください。

かみ締めたあと、3秒間休憩します。

次に、こめかみを両手で触ります。

舌の先をスポットにつけたまま、奥歯を力いっぱい3秒間かみ締めます。

このとき、こめかみの筋肉(側頭筋前腹)が動くのを確かめてください。

かみ締めたあと、3秒間休憩します。

次に、耳の上を両手で触ります。

舌の先をスポットにつけたまま、奥歯を力いっぱい3秒間かみ締めます。

このとき、耳の上の筋肉(側頭筋後腹)が動くのを確かめてください。

かみ締めたあと、3秒間休憩します。

この一連のトレーニングを5回繰り返してください。

トレーニング中に痛みを感じた場合はすぐに中止してください。

3. ポスチャー

舌の位置を常に上に付けておく練習です。

スラープスワローと同様に、舌の先をスポットに付け、ストローを咬んでください。

くちびるは閉じ、5分間舌の先を上に付けた状態を維持してください。

できましたでしょうか。

どんどん難しくなってきます。

ひとつひとつのレッスンを無理なくこなせるようになってから次のレッスンに移ってください。

2010.12.16

よく咬んでしまう食べ物

よくかむ事がお口の発育には重要です。

一般的によく勘違い(言い間違え?)されていることとして、

「最近の子供はやわらかいものばかり食べているから、あごが華奢だ。」

とか、

「やわらかいものばかりで、硬いものが食べられない。」

というものがあります。

こう言っている人たちは決して、硬いもの(固焼きせんべいなど)が食べられないということを言いたいわけではないでしょう。

むしろ、イカ、タコ、外国産の牛肉のブロックなどのような咬み切りにくい食材をイメージしているのではないでしょうか。

正確には、

「よく咬まないと食べられない、飲み込めないものをあまり食べていない。」

とか、

「咬む回数が少ない。」

ということが正しい表現だと思います。

子供の好きなメニューや外食を思い浮かべると、ほとんどが咬まなくても飲み込めるような食事ばかりです。

その中で、子供が好きなメニューでありながら食べていると必然的によく咬んでしまうものを発見しました。

フルーツグラノーラです。

一見、フルーツグラノーラは牛乳を注いで食べたりするので、流し飲みをしそうなイメージです。

しかし食べてみると、粒の大きさの違うシリアル、コーンフレーク、ドライフルーツが混ざっているので咬んでしまいます。

また、シリアルやコーンフレークを咬む時はあまり力を入れなくても砕けますが、ドライフルーツはしっかり潰すようにしないとうまく咬めません。

この咬み応えの差によって、咬む筋肉(咀嚼筋)をしっかりと使ってよく咬む様になります。

普段あまり咬んでいないひとだと、食べていて少しあごが疲れるかもしれません。

あごのえらの少し上、こめかみ、耳の上あたりに咬む筋肉があります。

フルーツグラノーラを食べて、咬む筋肉が動くのを確かめてみてください。

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