片側だけで咬む癖とスマイル時のくちびるのゆがみ
治療計画を立てるときにスマイルの写真を撮るようにしています。
スマイルの写真を見ていると、片側だけ口角が挙がらない人がいます。
そういった人の多くが、普段食事のときは挙がる方の奥歯だけで咬んでいます。
奥歯で食べ物を咬む時は、咬む筋肉だけでなく、頬やくちびるなど顔の表情にかかわる筋肉も使っています。
筋肉は使わないと衰えるため、咬んでいない側の表情にかかわる筋肉の機能は咬んでいる側の筋肉に比べ衰えてしまうのです。
普段咬んでいない方の奥歯でかむとストレスを感じるかもしれませんが、使えば使うほどストレスは無くなり、表情も変わってきます。
両方の奥歯で良く咬むことはアンチエイジングにもつながっているのです。
食事中の音
食事中に「くちゃくちゃ」と咬んでいる音が鳴ることはありませんか?
食事中に音を立てながら食べることはマナーとして問題があります。
特に本人が気付かずに立てている場合、周りの人に不快感を与える場合が多いです。
もちろん、麺類は別ですが。
食事中の咬んでいる音はどのような時に鳴るのでしょうか?
その多くはくちびるを閉じずに咬んでいる時に音がしています。
特に普段くちびるをぽかーんと開けている人に多いです。
くちびるが開いている人の多くは前歯が前に傾いています。
くちびるを閉じて、両方の奥歯で咬んでいると歯並びの横幅が広がり、前歯の飛び出しが軽減します。
また、食べている時の音もしなくなります。
食事中に音が鳴る人は、
背筋を伸ばし、
口の中に入れる一口の量を少し減らして、
くちびるを閉じて、両方の奥歯を均等に使いながら食事をとるようにしてみてください。
初めは大変かもしれませんが、慣れてくれば音を立てなくなるだけでなく歯並びにもきっと良い影響が出るでしょう。
咬むことの重要性
木曜日、定休日です。
しかし仕事をたくさん残っているので休日出勤です。
宮崎は薄曇。
昨晩の「ためしてガッテン」で咬むことの重要性について放送されていました。
以前このブログでも述べました歯根膜の感覚受容の話から、
さらに咀嚼が脳の活性化につながるという話まで、
なかなか面白い内容でした。
実際、眠い時はガムを咬んだりしていると少し眠気がおさまります。
どんな咬み応えの食材でもしっかりと自分の歯で咬めることは重要です。
学生時代、咬める入れ歯を手に入れた患者さんが何でも食べることができると喜んでいたことを思い出します。
自分の歯で何でもずっと食べられるようにするには虫歯や歯周病にかからず、しっかりお口の中を保つことが必要です。
皆さんのお口の中が良い状態で保たれますようにと思います。
(できれば定期的にお口の手入れを受けてくださいね)
よく咬んでしまう食べ物
よくかむ事がお口の発育には重要です。
一般的によく勘違い(言い間違え?)されていることとして、
「最近の子供はやわらかいものばかり食べているから、あごが華奢だ。」
とか、
「やわらかいものばかりで、硬いものが食べられない。」
というものがあります。
こう言っている人たちは決して、硬いもの(固焼きせんべいなど)が食べられないということを言いたいわけではないでしょう。
むしろ、イカ、タコ、外国産の牛肉のブロックなどのような咬み切りにくい食材をイメージしているのではないでしょうか。
正確には、
「よく咬まないと食べられない、飲み込めないものをあまり食べていない。」
とか、
「咬む回数が少ない。」
ということが正しい表現だと思います。
子供の好きなメニューや外食を思い浮かべると、ほとんどが咬まなくても飲み込めるような食事ばかりです。
その中で、子供が好きなメニューでありながら食べていると必然的によく咬んでしまうものを発見しました。
フルーツグラノーラです。
一見、フルーツグラノーラは牛乳を注いで食べたりするので、流し飲みをしそうなイメージです。
しかし食べてみると、粒の大きさの違うシリアル、コーンフレーク、ドライフルーツが混ざっているので咬んでしまいます。
また、シリアルやコーンフレークを咬む時はあまり力を入れなくても砕けますが、ドライフルーツはしっかり潰すようにしないとうまく咬めません。
この咬み応えの差によって、咬む筋肉(咀嚼筋)をしっかりと使ってよく咬む様になります。
普段あまり咬んでいないひとだと、食べていて少しあごが疲れるかもしれません。
あごのえらの少し上、こめかみ、耳の上あたりに咬む筋肉があります。
フルーツグラノーラを食べて、咬む筋肉が動くのを確かめてみてください。