ブログ

2010.12.01

カエル

歯科医院の風除室の様子です。

ドア横に、カエルの木彫りの置物を置いています。

鹿児島で開業している先生に、開院祝いでいただきました。

始めはこんなに大きいものをどこに置こうかと思っていました。

今ではこんな使われ方をしています。

結構気に入っています。

2010.11.30

外科的矯正治療 補足 顔のバランスについて

昨日の朝、NHK総合のアサイチで顔の話をしていました。

そういえば、外科的矯正治療のシリーズで顔のバランスも考慮して治療計画を考えていることを書いていませんでした。

そこで補足です。

ひとにはそれぞれ好みの顔があります。

好みのど真ん中という顔は、すべてのひとで一致しているわけではありません。

しかし、ひとそれぞれ好みの顔には範囲を持っているもので、

ほとんどのひとにとって好みの顔の範囲に入る顔というものがあります。

バランスの整った平均的な顔になってしまうのですが、

これをいろんなひとの顔をブレンドして自分でも作ってみました。

目、鼻、口、あごの先の位置を整えて作っています。

整った顔のバランスは、

眉間から鼻の下、鼻の下からあごの先が1対1、

鼻の下から口、口からあごの先が1対2、

とされています。

骨格的な異常のある患者さんの治療計画を考える上で、骨格的な異常を改善するだけでなく、顔のバランスも上の写真の比率に近づくように計画しています。

そうすると、治療後の患者さんの顔は魅力的になり、患者さんからも満足が得られます。

2010.11.29

門松作り

地域の催し物で、小学2年生の娘と一緒に門松作りの教室に参加してきました。

門松といっても本格的なものではなく、高さ20センチほどのミニ門松です。

 

素材さえ揃えば、慣れれば1時間程度で作れるので、毎年作ってみようと思っています。

お正月はまだ1か月先です。

来年度良い年になるように、12月末には歯科医院のどこかに飾りたいと思っています。

2010.11.28

外科的矯正治療 9.保定、経過観察

外科的矯正治療を行った患者さんも、通常、保定を行います。

この保定を開始する時も、治療開始時、手術直前と同じ検査が必要になります。

この期間中にどんどん咬めるようになり、保定終了の頃には治療開始する前より、咬む効率、咬む力などが格段に良くなっています。

保定を行う期間は患者さんによって様々です。

保定終了後は定期的に経過観察を行います。

2010.11.28

外科的矯正治療 8.術後矯正治療

退院後、かみ合わせの仕上げを行っていきます。

手術が終わって、咬みあわせがばっちりで、骨の後戻りもほとんどない場合もありますが、

大部分では少しかみ合わせの修正が必要なことが多いです。

また、手術後数ヶ月間はあごの骨が筋肉の力で元の位置に戻ろうとするので、それを防ぐためにゴムやチンキャップなどであごの位置をコントロールします。

その他、顎変形症の患者さんの場合、歯並びに悪影響を及ぼす癖を持っている人が多く、手術前に癖の除去ができていないことが多いため、この時期に確実に癖の除去を行うようにします。

かみ合わせの修正を行い、

悪い癖が取り除かれ、

あごの位置がコントロールされ、

あごの骨の後戻りがある程度ない状態になってから

矯正装置を撤去します。

治療開始・手術直前・矯正装置撤去の横顔の比較を追加します。

2010.11.27

外科的矯正治療 7.術後の入院管理

手術後にあごの骨がずれるのを防ぐため、傷口の縫合が終わったあとに口が開かないように針金で上下の歯をしばること(顎間固定)があります。

以前はすべての手術で行っていましたが、最近は顎間固定をしない場合もあります。

顎間固定は数日から数週間まで様々で、骨と骨の止め方、後戻りのしやすさ、かみ合わせの管理の仕方に合わせて期間を決めていたりします。

顎間固定中は口を開けることができませんので、栄養補給、吐き気のコントロール、出血のコントロール、呼吸の管理などについて細心の注意を払って管理します。

顎間固定を解除した後はゴムやチンキャップを使用して、あごが後戻りしないようにコントロールします。

また、顎間固定中にあごの動きが悪くなっているので、顎間固定解除後は口を開ける練習を行います。

傷口に血が溜まらないように、手術後1~2日間傷口にドレーンを入れて血を吸い出します。

あまり出血しなくなってくるとドレーンを抜きます。

手術室から出てきた後は、水分のコントロールとして、点滴と尿管カテーテルがついた状態になっています。

出血の量、点滴で入れた量、尿として排泄された量を見ながら体の管理を行います。

尿管カテーテルは手術翌日くらいに抜きます。

栄養補給は、術後数日は鼻から胃に入れたチューブで流動食を採ることになります。

術後数日して、傷口がある程度良くなり、口から栄養が取れるようになると、奥歯と頬の間の隙間から流動食を採るようになります。

顎間固定を解除したあとは、おかゆから始めて、少しづつ無理をせず、普通の食事に変えていきます。

手術後の痛みは数日は座薬の痛み止めなどでコントロールしますが、大体は数日で痛み止めが我慢できる程度に治まってきます。

手術後は顔が腫れます

腫れる人はかなりパンパンに腫れます。中にはあまり腫れない人もいますが。

腫れているころは、痛みもあり、体もつらく、精神的に少しきついでしょうが、腫れは時間とともに落ち着いてきます。

手術後1~2日ほど冷やしながら患部を圧迫し、その後さらに数日は冷やさずに圧迫を継続してなるべく腫れないように管理します。

手術後の感染予防に抗菌薬を投与し、口の中の汚れは水流で洗い流します(ウォーターピック)。

手術後に唇の感覚が鈍くなったり、しびれが出ることがあります。

多くは数ヶ月以内に改善するのですが、長引く場合もあります。

しびれの解消にビタミン薬の服用することが多いです。赤外線照射、レーザー照射などを行うこともあります。

顎間固定を解除し、傷口がある程度落ち着き、抜糸ができるようになり(最近では吸収する糸を使って、糸をとらないこともある)、あごの位置が安定していることを確認して退院となります。

2010.11.26

外科的矯正治療 6.顎矯正手術

顎矯正手術には様々な方法があります。

上あごと下あごに用いられる手術の代表的なものを挙げたいと思います。

1.上あごの手術

上あごの手術の代表例として、Le Fort I型骨切り術という方法があります。

口の中から手術し、鼻の穴の横から横方向に骨を割って、上あごの骨を上や前方向に動かすものです。

上あごの位置に異常があるときや、下あごの手術だけでは十分に咬み合わせを改善できないときに下あごの手術といっしょに選択されます。

 

2.下あごの手術

下あごの手術には歯列を動かす手術と、あごの先を動かしたり、削る手術などがあります。

歯列を動かす手術として、

下顎枝矢状分割術と、

下顎枝垂直骨切術などがあり、あごを前に出したり、後ろに下げたり、上や下に動かしたり、様々な方向へ動かします。

あごの先の手術としてオトガイ形成術があります。

あごの先を前に出したり、後ろに下げたり、削ったりして形を整えます。

大部分のの手術は口の中から行いますが、大がかりな手術になる場合はその限りではありません。

切ったの後の骨の固定は、チタン合金のプレートや、吸収性のプレートがかなり多く使われています。

下顎枝垂直骨切術では切ったあとの骨と骨の固定は行いません。

吸収性のプレートは2年ほどで吸収されます。チタン合金のプレートは吸収されることはないですが、強度的には吸収性のプレートより高いです。

チタン合金のプレートを使った場合、医療機関によってあとでプレート除去を行った方が良いと説明を受ける場合と、そのままでも良いと説明を受ける場合があります。

どちらがいいかは医療機関からの説明を聞いて、ご自身で判断してください。

(私は取った方が良いのではと思っています。)

2010.11.25

外科的矯正治療 5.入院前の検査

術前矯正治療が進み、顎矯正手術を行う目途が立つと、入院に先だって入院前の検査を行います。

矯正治療担当の歯科医院では、顎離断の手術開始の顎口腔機能に関する検査(外科的矯正治療 3.検査参照)を行います。

顎矯正手術担当の病院では、安全に麻酔や手術を行えるか、どのような手術を行うかの最終確認するために、血液の検査、肺の機能、心臓の機能、レントゲン写真などを検査します。この検査の時、ある程度の出血が見込まれる手術の場合、事前に血液を蓄えて出血に備える場合もあります。

これらのデータから、安全に手術ができるかどうかを検討し、必要な場合は手術の延期を決定します。また、手術の方法もこれらのデータから最終決定します。

2010.11.25

外科的矯正治療 4.術前矯正治療

外科的矯正治療では、ほとんどの場合あごの骨の手術を行う前に術前矯正治療を行います。

ほとんどの患者さんは、ずれたあごの位置で咬めるように歯の傾きや位置がずれています。

これを手術前に修正し、手術であごを動かしたところでも咬めるようにするのが術前矯正治療です。

たとえば、顎変形症の受け口の患者さんの場合、上あごより下あごのほうが前にあるので、上の前歯は前に倒れ、下の前歯は内側に倒れています。

上の前歯を内側に移動し、下の前歯を前に倒します。

その際に、上の前歯を内側に移動させるためのスペースが足りないことが多く、上の第一小臼歯を抜歯することが多いです。

術前矯正治療が終了した写真です。

上の第一小臼歯を左右とも抜歯し、その隙間を利用して上の前歯を内側に移動しています。

下の前歯は前に倒しています。

その結果、上と下の前歯の先の距離は大きくなり、受け口の程度がひどくなって見えるようになります。

治療開始前よりかなり咬みづらい状態です。

術前矯正治療の変化です。灰色でぬりつぶした歯の位置からピンクに塗りつぶした位置に歯が動いています。

ちなみに、手術で下あごを後ろに動かすと、水色の位置で咬みます。

術前矯正治療にかかる期間はばらばらで、短いものは術前矯正治療なし、長いものは2年かかる場合もあります。

2010.11.24

外科的矯正治療 3.検査

外科的矯正治療を行うのに必要とされる検査があります。

外科的矯正治療を受ける患者さんは、顎変形症という病気であると診断されます。

顎変形症の診断には、

・咀嚼筋筋電図(咬むときに使っている筋肉が出す電気信号の)検査、
・下顎運動(下あごの動き方)の検査、
・歯科矯正セファログラム(顔の骨を前、横から写したレントゲン写真で、毎回同じ撮り方で撮影するもの)、
・口腔内写真、
・顔面写真、
・歯型、
を分析して行うように定められています。

他の保険の矯正治療と違うのは、咀嚼筋筋電図下顎運動の分析が必要なところです。

この検査は最低でも、治療開始前、あごの骨の手術のを開始した時、歯を動かし終わって保定を行うときに必要です(最大5回)。

この検査で、

「歯並びやあごの骨格が悪いだけではないのですよ(見た目だけではないですよ)。」、

「歯並びやあごの骨格が悪いせいで、咬む筋肉がうまく働けないのですよ(うまく咬めない)。」、

「歯並びやあごの骨格が悪いせいで、うまくあごを動かせないのですよ。」

というように、咀嚼障害という病的な状態であることを証明することになるのです。

これらの検査を行う装置は結構値が張るのですが、使う機会が少ないところが頭痛の種です。

1 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48