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2010.12.20

舌の癖の除去 5. レッスン3

今までのレッスンはクリアできたでしょうか?

できない人は今までのレッスンを繰り返してください。

クリアできた人は次へすすみます。

舌の癖の除去、レッスン3です。

1. フルフルスポット

舌を細くして左右に振ります

なるべく早く動かしてください。

次にすばやくスポットに舌の先を付けます。スポットに付けるときは口を閉じないようにしてください。

これを繰り返してください。

2. カッ、スワロー

飲み込む時の舌の付け根の部分(舌根部)と、口の天井の奥の部分(軟口蓋)の動きを覚える訓練です。

少し上を見ながら、口をあけて指3本縦に口の中に入れます。

この状態で、「カッ」とはっきり声を出してください。

このときののどの動きの感覚をよく覚えてください。

次は同じくらい口を開けて、鏡でのどの奥を見ながら、「カッ」とはっきり声を出してください。

これが飲み込む時の、舌の付け根の部分(舌根部)と口の天井の奥の部分(軟口蓋)の正しい動きです。

次に同じくらい口を開けて、鏡でのどの奥を見ながら、口の中にスプレーで少量水を入れます。

「カッ」と声を出した時ののどの動きを思い出しながら、同じようにのどを動かして水を飲んでください。

この一連の練習を6回繰り返します。

飲む込む時はむせたりしないように注意してください。

のどを上手に動かせないとき、口を大きく開けて「カッ」と発音できずに、「ハッ」という発音になる場合があります。

そんなときは、指の数を減らし、指2本でトレーニングしてください。

指2本でもできないときは、指1本でも良いです。

発音ができるようになったら、指の数を増やしてください。

3. リップポスチャー

安静時のくちびるの訓練です。

下くちびるの裏に入れる綿を用意します。

歯科医院で使用するロールワッテが用意できる場合はそれを使用してください(上の写真左)。

用意できない場合は、薬局などで売っている角型の綿(上の写真真ん中)を丸め、糸でしばってください(上の写真右)。

丸まった綿を下くちびるの裏側に入れます。

舌の先はスポットに付け、奥歯は軽く咬みながら、30分間くちびるを閉じてください。

くちびるを開けてはいけません。

テレビを見ながら、本を読みながらなど、何かしながら30分間維持してください。

できましたでしょうか?

舌の訓練は根気強く継続することが重要です。

無意識の時でもできるようになるためには、簡単に思える練習でも意識をしながら継続することで癖がとれてきます。

2010.12.19

開業した日の写真

宮崎は晴れの穏やかな日です。

窓際はポカポカして暖かいです。

今日は定休日で、朝から年賀状つくりを行っています。

年賀状用の写真を漁っていると、歯科医院を開業した日の写真が出てきました。

開業は今年の5月8日。

宮崎は4月の口蹄疫発生と感染の拡大で、重苦しい雰囲気でした。

開業当日の朝は、

濃霧orz

先がまったく見えない。

その後を暗示しているような天候でした・・・

来年は日本全体が良い年になるといいですね。

先がまったく見えない。

その後を暗示しているような天候でした・・・

来年は日本全体が良い年になるといいですね。

2010.12.18

上顎前突とスポーツ外傷

久しぶりにマウスガードやスポーツ外傷に関わるお話です。

コンタクトスポーツ、球技、レースなどでは、転倒や激突時に歯を折ったり、脱臼したり、くちびるを切ったりすることがあります。

ところで、スポーツをしているときに、歯やくちびるをけがしやすい歯並びがあります。

上顎前突(出っ歯)です。

1993年に発表された外国の論文に、

「上の前歯が下の前歯より4mm以上出ている人、上くちびるが短い人、口をポカーンと開けている人、口で呼吸をする人は歯やくちびるのけがが多い。」

「上の前歯と舌の前歯の距離が4mmの人は2mmの人の2倍ケガをしやすく、10mm以上ある人の29.4%がケガをしている。」

という報告があります。

コンタクトスポーツ、球技、レースをする人で、上の前歯が出ている人は矯正治療をお勧めします。

 

2010.12.17

舌の癖の除去 4. レッスン2

舌の癖の除去、レッスン2です。

1. スラープスワロー

用意してほしいものは、ストローとスプレーです。

まず、舌の先をスポットにつけます。

次に小臼歯のあたりでストローを咬みます。

このとき、舌の先はスポットについているので、ストローは舌の下を通っています。

口角(矢印で示したくちびるの端)からスプレーで水を少し入れます。

舌の先はスポットに付けたまま、ストローは咬んだまま、水を奥歯の間から吸い込み、舌の上(舌の真ん中あたり)に集めます。

くちびるは閉じないように、この状態で水を飲み込んでください。

舌はストローで邪魔をされて、下に下がることなく、飲み込むことができるはずです。

これが正しい飲み込み方です。この動きを覚えましょう。

2. バイト

舌の癖があるひとは、飲み込むときに歯をかみ合わせていなかったり、食事を良く咬んでいないことが多く、咬む筋肉(咀嚼筋)がしっかりと機能していないことが多いです。

咀嚼筋のトレーニングとして、かみ締めを行います。

このトレーニングには注意が必要で、顎関節症のひとは症状を悪化させる可能性があるので控えてください。

あごのえら(耳の下で下あごの角の部分)の少し上を両手で触ります。

舌の先をスポットにつけたまま、奥歯を力いっぱい3秒間かみ締めます。

このとき、えらの上の筋肉(咬筋)が動くのを確かめてください。

かみ締めたあと、3秒間休憩します。

次に、こめかみを両手で触ります。

舌の先をスポットにつけたまま、奥歯を力いっぱい3秒間かみ締めます。

このとき、こめかみの筋肉(側頭筋前腹)が動くのを確かめてください。

かみ締めたあと、3秒間休憩します。

次に、耳の上を両手で触ります。

舌の先をスポットにつけたまま、奥歯を力いっぱい3秒間かみ締めます。

このとき、耳の上の筋肉(側頭筋後腹)が動くのを確かめてください。

かみ締めたあと、3秒間休憩します。

この一連のトレーニングを5回繰り返してください。

トレーニング中に痛みを感じた場合はすぐに中止してください。

3. ポスチャー

舌の位置を常に上に付けておく練習です。

スラープスワローと同様に、舌の先をスポットに付け、ストローを咬んでください。

くちびるは閉じ、5分間舌の先を上に付けた状態を維持してください。

できましたでしょうか。

どんどん難しくなってきます。

ひとつひとつのレッスンを無理なくこなせるようになってから次のレッスンに移ってください。

2010.12.16

よく咬んでしまう食べ物

よくかむ事がお口の発育には重要です。

一般的によく勘違い(言い間違え?)されていることとして、

「最近の子供はやわらかいものばかり食べているから、あごが華奢だ。」

とか、

「やわらかいものばかりで、硬いものが食べられない。」

というものがあります。

こう言っている人たちは決して、硬いもの(固焼きせんべいなど)が食べられないということを言いたいわけではないでしょう。

むしろ、イカ、タコ、外国産の牛肉のブロックなどのような咬み切りにくい食材をイメージしているのではないでしょうか。

正確には、

「よく咬まないと食べられない、飲み込めないものをあまり食べていない。」

とか、

「咬む回数が少ない。」

ということが正しい表現だと思います。

子供の好きなメニューや外食を思い浮かべると、ほとんどが咬まなくても飲み込めるような食事ばかりです。

その中で、子供が好きなメニューでありながら食べていると必然的によく咬んでしまうものを発見しました。

フルーツグラノーラです。

一見、フルーツグラノーラは牛乳を注いで食べたりするので、流し飲みをしそうなイメージです。

しかし食べてみると、粒の大きさの違うシリアル、コーンフレーク、ドライフルーツが混ざっているので咬んでしまいます。

また、シリアルやコーンフレークを咬む時はあまり力を入れなくても砕けますが、ドライフルーツはしっかり潰すようにしないとうまく咬めません。

この咬み応えの差によって、咬む筋肉(咀嚼筋)をしっかりと使ってよく咬む様になります。

普段あまり咬んでいないひとだと、食べていて少しあごが疲れるかもしれません。

あごのえらの少し上、こめかみ、耳の上あたりに咬む筋肉があります。

フルーツグラノーラを食べて、咬む筋肉が動くのを確かめてみてください。

2010.12.15

オトガイ部の筋緊張

昨日コメントいただきました中に、

ところで、以前通っていた歯医者で、

下唇からあごにかけての部分に筋肉が付きすぎている、

これは歯並びが悪くて口を開けて息をしているからだといわれました。

確かに下唇からあごにかけて人よりお肉がついてる気がします。

しかし、歯並びと関係するのでしょうか。

との質問がありました。

下くちびるの下からあごにかけてをオトガイ部と呼んでいます。

この部分の筋肉のふくらみについて気にされている方も多いかと思います。

いずれ書こうと思っていたところなので、予定を変更し、オトガイ部の筋緊張(特にオトガイ筋の緊張)について書いていきます。

まず、オトガイ部に筋肉が付きすぎているとのことですが、このことだけで考えると2種類の状態が考えられます。

 

1つ目は、

下くちびるからオトガイ部の筋肉が常に緊張し、下の歯が内側に倒れている状態です。

自分で筋肉の力をコントロール出来なくなっているため、筋肉の緊張を緩和するトレーニングが必要になります。

2つ目は、

普段口が閉じにくいため、口を閉じようとするとオトガイ部にうめぼしのような筋緊張が現れる状態です。

口を開けて息をしているとのことですから、おそらく2つ目のパターンだと思います。

上の歯と下の歯の間に距離があるとき(上顎前突や開咬)や、E-line(鼻の先とおとがいを結んだライン)より口元が出ている場合(上下顎前突や上顎前突)などでは、普段安静にしているときに口が開きがちです。

口を閉じるときは、上くちびるは下がらず、下くちびるを上に持ち上げるようにして閉じます。

このとき、下くちびるを大きく持ち上げようとして、オトガイ筋が緊張します。

以前にも出しましたが、口を開けていると、くちびるが前歯を内側へ押す力が弱くなり、前歯は前に倒れやすくなります。

この状態が続くと、上顎前突、上下顎前突や開咬という状態になりやすくなります。

これらのかみ合わせになると口が閉じにくくなります。

結果、口を閉じるときにオトガイ筋が緊張するのです。

2つ目の患者さんの治療前(上)、治療後(下)の写真です。

矯正治療で上の前歯の位置が改善し、口が閉じやすくなりました。

下の写真ではオトガイ部の筋の緊張が取れ、あごのラインが自然になっています。

 

黒が治療前、赤が治療後です。

上の前歯が中に動き、鼻の下からあごにかけてのラインが大きく変化しているのがわかります。

子どもの間に悪い癖を取り除けば、矯正治療を行わなくてもかみ合わせや顔の形が良くなる可能性が高まります。

多くのかみ合わせや歯並びの不正には癖がかかわっています。

癖を取り除くことの重要性がこれらのことからわかるでしょう。

大人の場合も矯正治療と癖の除去を組み合わせることで、かみ合わせや顔の形のみならず、表情も良くなってきます。

気になる場合は、ぜひ矯正歯科医にご相談ください。

2010.12.14

くちびるの訓練

くちびるの訓練についてです。

シリーズで出している舌の癖の除去と少しはずれているように思われますが、舌の癖の除去を行うとき、くちびるの訓練も合わせて行っています。

上の写真のように、普段から口がぽかーんと空いていることが多い人は、前歯が前に倒れていることが多いです。

舌、唇、頬などの筋肉がバランスよく機能することで、歯並びは良くなります。

くちびるのトレーニングにはいろいろな商品が売り出されていますが、身近にあるものでトレーニングは可能です。

直径2~3cmぐらいのボタンを用意し、ボタンに40cmぐらいの糸を通して端をむすびます。

これで出来上がりです。

ボタンをくちびるでくわえ、糸を引っ張ります。

ボタンがはずれないように、くちびるをしっかりと閉じます。

引っ張る方向を、上向き、下向き、右、左、前など、変えることで効果的に唇の筋肉を鍛えることができます。

引っ張る力はボタンがはずれるか、はずれないか、ギリギリの力で引っ張ります。

引っ張る時間は5秒以上で、はずれないようにこらえてください。

くちびるの力がどの程度ついてきたかは、糸の先にペットボトルを結びつけ、ボトルに水を入れてボトルをもちあげ、その重さを測ることで確かめることができます。

くちびるを閉鎖する力がついてきたら、ボタンの大きさを小さくしてみてください。

2010.12.13

定休日、昨日はAOTAI

昨日は月に1回の日曜診療日でした。

本日は定休日、宮崎は生憎の雨です。

昨日、宮崎市では国際青島太平洋マラソン大会が開催されていました。

あまり気にとめていなかったのですが、ふと歯科医院のそばの道路を眺めていると、

渋滞しています。

 

なんでここが渋滞しているのと思って、マラソンコースを見てみると、

宮崎神宮が折り返し地点で、宮崎神宮から南側の国道が交通規制されていました。

私の歯科医院は上に挙げたマラソンコースでいうと、左斜め下の、左向きに走っている人のあたりにあります。

国道の西側にあり、南北に抜けられる道路で一番近いのが歯科医院のそばの道路です。

幸い患者さんはほとんど予約が入っていなかったので渋滞の影響は受けませんでした。

来年は予約をとるとき、近くの道路が渋滞することを言わないといけないなと思いました。

2010.12.12

舌の癖の除去 3.レッスン1

レッスン1です。

昨日書いたものに加えて、いくつか追加で練習を行います。

1. スポット

以前にも出した写真です。

上の前歯の裏に少し膨らんだ部分があります(青の中心の少し前方)。

普段からその部分に舌の先を付けておきます。

このとき、舌の先を丸めないように注意してください。

正しい舌の位置は普段この位置に舌の先がついています。

2. ポッピング

子供が遊びでよくやるもので、舌全体を上あごに付けて、ポンッと音を鳴らしてみてください。

舌の先はスポットの位置で、音はなるべく大きな音を出してください。

この2つがしっかりできるようになると舌の機能はかなり良くなります。

頑張ってみてください。

2010.12.11

舌の癖の除去 2.簡単なものから始めてみましょう

舌の癖の除去について、簡単なものから始めます。

舌の大部分は筋肉です。

手足の筋肉と同じように、使えば使うほど上手に動くようになります。

まず、舌の形、舌の力や位置のコントロールの練習をしてみましょう。

1.舌の形のコントロール

舌をとがらせたり、平らにしてみてください。

舌をふらつかせず、5秒から10秒程度は形を維持させてください。

 

2.舌の位置や動きの速さのコントロール

舌の先でくちびるを1周なぞってください。

止まったり、後戻ったり、スピードを変えることなく、1分くらいかけてゆっくり同じ速さでなぞってください。

3.舌の形と力のコントロール

スティックを口の前に置き、舌の先をとがらせて、舌の先でスティックを力いっぱい押します。5秒から10秒程度は押してください。

次に舌を平らにして、舌の真ん中にスティックを当てます。あまり奥の方で当てると吐き気をもよおすことがあるのでおくに入れすぎないでください。そして舌に力を入れてスティックを上に押し上げてください。これも5秒から10秒程度は押してください。

できましたでしょうか?

舌の動きや位置が悪いひとは、下あごと首の間にある舌骨が下がっているひとが多いです。

3番目のトレーニングで舌を上に持ち上げることができるようになると、舌骨の位置が上に上がり、あごの下のたるみがとれたり、少なくなりますので、あごのラインがシャープになります。

美容とお口の健康、良い歯並びの維持には舌の正常な機能は欠かせません。

ぜひ頑張ってみてください。

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