U-15 ジュニアラグビーのマウスガード義務化
日本ラグビーフットボール協会が5月19日に出したルール変更により、
U-15のジュニアラグビーの選手はマウスガードの着用が義務化されました。
これは4年の準備期間を経た上での正式実施です。
日本ラグビーフットボール協会の認識として。成長期にあるU-15のプレーヤーにはマウスガード装着による安全対策は欠かせないということだそうです。
マウスガード装着による安全対策は欠かせないということならいっそのこと、ラグビーを行うすべてのプレーヤーというように変更すればいいのにと思います。
不正咬合の指摘と相談
今朝うちのかみさん(一般歯科医)と、
『「歯並び・咬み合わせの相談を受けた時に、今まで歯医者さんで歯並びについて何かご説明を受けましたか?」
と聞くと、
「いえ、歯医者さんから一度も歯並びについて指摘を受けたことがなかったので、自分では最近まで歯並びが悪いとは思っていませんでした。」とか、
「歯並びやかみ合わせが悪いとは思っていたけど、歯医者さんから一度も説明を受けたことがない。」
といわれることが多いよね。』
という話をしていました。
実際、初診で「鏡を見ていて最近気になるようになった。」とか、
「家族や知人に最近になって指摘されて気になるようになった。」とか、
「今回初めて相談した。」
というかたが多いです。
歯並びを指摘しなかった歯科医は決して歯並びやかみ合わせを見落としているわけではありません。
指摘しなかった理由は恐らく、
①「不正咬合の程度的には軽度なので、指摘するほどではない」と思っているか、
②「不正咬合の程度的にはやや重度だけど、患者さんから相談されていないので気にされていないのでは」と思っているか、
③「不正咬合の程度的にはやや重度だけど、患者さんから相談されていないのはものすごく気にしていて、話題として触れたくないのでは気にされていないのでは」と思っているかのどれかだと思います。
歯科医師としては、患者さんの様子を見ながら②,③の場合はなるべく不正咬合の指摘と治療についての説明をした方が良いと思いますが。
まあ、難しいところかもしれません。
もし、歯並びや咬み合わせの不正に気付かれているなら、歯科医師が説明をするのをためらっている場合もありますので、かかりつけの歯科医師に一度相談してみてください。
姿勢の勉強
5月17日ののブログで、不正咬合の患者さんの治療を行う上で「整形外科、皮膚科、言語療法、リハビリなど知識が必要」と書きました。
不正咬合の原因の一つに姿勢の異常があります。
姿勢の悪い患者さんに姿勢を良くするように指導していますが、
どこがどう悪いのか、
必ずしも完全にわかった上で言っているわけではありません。
整形外科に受診して診てもらうように患者さんに言うのは簡単ですが、
もう少し自分でも勉強した方が良いと思い、
姿勢の検査の仕方、理学療法的な改善方法などを勉強中です。
自分が知らなかったことを本で読むことは本当に面白いですね。
矯正治療に使えるように体系づけられたらブログにも載せていこうと思います。
献血に行ってみましたが・・・
10年ほど前まで定期的に献血に行っていました。
その後、クロイツフェルトヤコブ病の危険性がある?とのことだったので、イギリス滞在暦(3日ほどしかいませんでした)のある人は献血不適格ということで献血に行かなくなりました。
いつだったか、新聞でイギリス滞在暦が緩和され数日程度なら献血可能という記事を読み、時間がある時に献血に行ってこようと思っていました。
今日時間があり、献血ルームの前を通ったので成分献血をしようと思い献血に行ってみました。
結果、拒否されました。
半年以上のヨーロッパ滞在(2年住んでいました)は不適格だそうです orz
今後緩和されることがあるのかな?
歯科ドック
矯正専門で開業していますが、なぜか歯科ドックも行っています。
もともと、宮崎市郡東諸県郡歯科医師会に入会した時に、「歯科ドックを行いますか?」と聞かれ、何も考えずに「はい」と返事したため、実施医療機関のリストに載っています。
昨年は一人も来られなかったので、今年も一人も来ないかもと思っていたら何人かのかたがいらっしゃっています。
歯科ドックを受けられた方はご存知と思いますが、
虫歯や歯周病の罹患状況、
虫歯のなりやすさ、
咬み合わせやあごの関節の状態、
口の中の粘膜や舌の異常の有無、
など色々と診ています。
特に、虫歯の原因菌が多いかどうか、虫歯の原因菌から出る酸を唾がしっかりと薄めてくれるかどうか、口の中に出血がないかなど、色の変化でわかるので、見ていておもしろいです。
少し自己負担がありますが、お口の中の環境を整えることは生活の質の向上につながります。
行政からのお知らせを受け取られた方は一度受診されて見てはいかがでしょうか。
矯正治療と異常機能
矯正治療を行っているとほとんどの患者さんが大なり小なり異常機能を持っていることに気付きます。
上顎前突や上下顎前突の患者さんの口唇閉鎖の問題、
上顎前突の患者さんの立位や座位の姿勢の問題、
非対称患者さんの咀嚼の問題、
開咬患者さんの呼吸や舌の問題
などなど。
治療する上で、咬ませることだけ考えるならなんとかなるのですが、成長期で正常な発育に誘導したいときとか、治療後の安定を考えると機能異常の改善に踏み込んで機能を正常に導く必要があります。
異常な機能も千差万別で、どの患者さんについても良好な結果を得るためには、耳鼻科、整形外科、皮膚科、言語療法、リハビリなど知識など様々な領域についても知識が必要となります。
つくづく矯正治療の奥の深さが身にしみます。
咬み合わせと重心
咬み合わせの不正にはいろいろなタイプがあります。
この不正の状態と重心の位置を確かめた研究があります。
Nobili a., Adversi R.
Relationship between posture and occlusion: a clivical and experimental investigation.
J Craniomandib Pract 14: 274-285, 1996
という論文です。
内容は、
上顎前突の人の重心は前方に、
下顎前突の人の重心は後方にずれているというものです。
ちなみに私は上顎前突ですが、
Wii Fitで重心の位置を見てみると前方重心でした。
論文データ通りです。
重心の位置は立位で行うスポーツに影響すると思われます。
ゴルフのアドレスとか特に影響しそうですね。
虫歯治療の後の保存・補綴処置とブラケットボンディング
定休日ですが、矯正の話を。
虫歯の治療の後、削った大きさや形に応じて詰め物(保存修復)をしたり、かぶせ物(補綴処置)を行います。
保存修復や補綴処置を行った部位にブラケットをボンディングするときに、ボンディングする部位に金属やセラミックスがあると通常の歯よりもブラケットがはずれやすいです。
ですので、矯正治療を行うことを考えている人はなるべく虫歯を作らないようにしてください。
プチネタでした。
インダイレクトボンディングの接着剤
今日のネタは一般向けではありません(歯科医師、技工士向けです)。
インダイレクトボンディングの模型への仮着方法と歯面への合着
インダイレクトボンディングは模型にブラケットを仮着する時に2つの方法が良く使われていると思います。
のりでつける方法と
ボンディング材でつける方法です。
のりで付けた場合、
歯面にはボンディング材で合着することになります。
ボンディング材でつけた場合、
ユニテックが出しているサンディラピッドセットインダイレクトボンディングアドヘッシブのように、すでに硬化したボンディング材と歯面を合着するボンディング材が必要になります。
ユニテックのサンディのシステムはボンディング材の表面に塗った液と歯面に塗った液が密着して硬化しますので、密着が弱ければブラケットは歯面につきません。
これを使っていた時はなるべく圧接していたのですが、圧接にむらが出やすく、脱落が多かったのでやめました。
のりで付ける方法は、一番最初にインダイレクトボンディングを行ったころにエミルマというインダイレクト用のキットを用いながらやっていました。
しかし、このころは未熟でのりを溶かしきらずに脱落させていたので、サンディのシステムに乗り換え、のりを使う方法をやめていました。
現在は使うのりを変えて再びこの方法で行っています。
のりを使った方法の歯面への合着
のりを使った方法を行いながら、合着時に使うボンディング材の選択についてもいろいろと試しました。
今までは使ったものとしては、
トランスボンドXT、マルチボンド、スーパーボンド、ライトオンなどです。
それぞれの感想はというと、
ユニテックのトランスボンドXTはなかなか内部まで硬化しない、
マルチボンド、スーパーボンド、ライトオンは手間がかかり、硬化する待ち時間が長い、
という印象です。
どれもいまいち使っていて気に入りませんでした。
ダイレクトボンディングでは主にフジオルソLCを使っているのですが、ためしにインダイレクトでも使ってみたら、
操作はマルチボンドやスーパーボンドよりも楽、
光で硬化するので少し押さえながら1歯ずつ仮着すればずっと圧接する必要がない、
硬化の待ち時間が少ない、
トランスボンドにくらべて内部まで短い照射時間で硬化する
何よりはずれにくい
といった感じで今のところ最高です。
歯科で処方される薬とドーピング
オリンピックが開催されている時、しばしば「ドーピングにより失格」というニュースが流れます。
ドーピングには競技力を向上させるために故意に禁止薬物を使用する場合と、
病気による薬の服用などで意図せずに摂取している場合があります。
ただ、意図せずに摂取している場合でも検査にかかれば失格になります。
禁止薬物には色々なものがあり、中には歯科で処方される薬物で禁止薬物に指定されているものもあります。
歯科で処方されたり、使用されるものでは
カフェインを含む鎮痛剤
ステロイドを含む消炎剤
麻黄を含む漢方薬
があります。
また、局所使用のみ許可されているものとして
ステロイドを含む消炎剤
局所麻酔薬
あります。
局所使用で使われる場合は、歯科医師に診断名や治療方法を証明する証明書を記載してもらい、提出する必要があります。
ドーピング検査のある競技会に出場される場合は歯科治療と言えどドーピングに引っかかる可能性があるので、治療の際には歯科医師にお問い合わせください。