矯正相談と癖
本日は定休日ですが、たまった仕事を減らすために出勤しています。
もうすぐ開業1年です。
相談料を無料にしているので、治療する気はそれほどないけれど一度相談しにきてみたという患者さんも多くいらっしゃいました(もちろんそういう患者さんも大歓迎です)ので、この1年間で相談の患者さんがそこそこ来られました。
それらの患者さんと話をしたり、口の中をのぞいたりしていてあらためて思ったのが、矯正相談に来られる患者さんのほとんどが歯並びに影響するような癖を持っているということです。
くちびるを開けて咬んでいる。
流し飲みが多い。
咬む回数が少ない。
どちらかというと片方の奥歯で咬むことが多い。
食べ物を咬む時すりつぶす動きがない。
テレビを見ながら食べている。
姿勢が悪い。
普段くちびるが開いている。
口で息をする。
舌が下の前歯の裏側にある。
しゃべるときに舌が上にあがらない。
飲み込む時に舌が前に出る。
飲み込む時に舌が横に出る。
飲み込む時に頬をすぼめる。
下くちびるを咬む。
噛みしめるくせがある。
はぎしりをする。
舌をしきりに動かす。
頬杖をつく。
などなど・・・
本当に普段の生活が体の形や機能に影響しますね。
言い過ぎかもしれませんが、歯列不正は生活習慣病的なカテゴリーに含めても良いような気がしています。
片側だけで咬む癖とスマイル時のくちびるのゆがみ
治療計画を立てるときにスマイルの写真を撮るようにしています。
スマイルの写真を見ていると、片側だけ口角が挙がらない人がいます。
そういった人の多くが、普段食事のときは挙がる方の奥歯だけで咬んでいます。
奥歯で食べ物を咬む時は、咬む筋肉だけでなく、頬やくちびるなど顔の表情にかかわる筋肉も使っています。
筋肉は使わないと衰えるため、咬んでいない側の表情にかかわる筋肉の機能は咬んでいる側の筋肉に比べ衰えてしまうのです。
普段咬んでいない方の奥歯でかむとストレスを感じるかもしれませんが、使えば使うほどストレスは無くなり、表情も変わってきます。
両方の奥歯で良く咬むことはアンチエイジングにもつながっているのです。
口唇矯正法
宮崎に住んでいると都会に比べ講習会や勉強会に参加するのが大変です。
最新の治療方法やその効果、トレンドを勉強するために学会に参加したり、学術誌を定期購読しているのですが、その他にも学術書をなるべく購入して読むようにしています。
最近買った本の中に口唇矯正法という記述がありました。
以前、ボトックス注射の話を書きましたが、本の中の1章をさいて、スマイルやくちびるの形を整えることについて書いてあり、その中にボトックス注射やフィラーの注入を行ってスマイルやくちびるの形態を整える方法が載っていました。
アメリカではこういった治療が歯科でも多く行われているようです。
日本でも歯科で一般的に行われるようになるのかもしれませんね。
食事中の音
食事中に「くちゃくちゃ」と咬んでいる音が鳴ることはありませんか?
食事中に音を立てながら食べることはマナーとして問題があります。
特に本人が気付かずに立てている場合、周りの人に不快感を与える場合が多いです。
もちろん、麺類は別ですが。
食事中の咬んでいる音はどのような時に鳴るのでしょうか?
その多くはくちびるを閉じずに咬んでいる時に音がしています。
特に普段くちびるをぽかーんと開けている人に多いです。
くちびるが開いている人の多くは前歯が前に傾いています。
くちびるを閉じて、両方の奥歯で咬んでいると歯並びの横幅が広がり、前歯の飛び出しが軽減します。
また、食べている時の音もしなくなります。
食事中に音が鳴る人は、
背筋を伸ばし、
口の中に入れる一口の量を少し減らして、
くちびるを閉じて、両方の奥歯を均等に使いながら食事をとるようにしてみてください。
初めは大変かもしれませんが、慣れてくれば音を立てなくなるだけでなく歯並びにもきっと良い影響が出るでしょう。
九州新幹線のCM
九州新幹線は東日本大震災の翌3月12日に全線開通しました。
開業の日は本来なら九州新幹線のCMが大々的に流されるのですが、皆さんのご存知の通り震災関連のニュースやACの広告でいっぱいでした。
ところで、自粛されていた九州新幹線のCMがなかなかの出来で、そのまま日の目を見ないのも残念と思っていたら、23日から再放送されることになったようです。(残念ながらまだ私自身はテレビでまだ一度も見れていないのですが)
このCMは九州だけで流されるようですが、他の地域のかたにも是非見ていただけたらと思い、Youtubeでアップされたものを貼り付けます。
見ると、少し元気を分けてもらったような気分になれます。
矯正という文字が最初に出てきた年
日本歯科矯正器材協議会という組織があります。
日本国内で矯正の器材を扱っている会社が加盟している団体なのですが、
こちらのホームページに日本の矯正の歴史に関連した記述がありました。
それによると、
「矯正」という言葉が活字として登場するのは、1889年(明治22年)とされている。
「歯列矯正」、「歯列矯正術」などとして、当時の歯学書に記されている。 間もなく、専門学校の講義においても、「矯正歯科」という言葉が使われ始めた。その後、歯科矯正専門の学術書も相次いで発刊され、1914年には、文部省歯科病院(現・東京医科歯科大学)の補綴部の診療科目として「矯正科」が新設された。
とあります。
1889年(明治22年)といえば、
日清、日露戦争の間で
大日本帝国憲法が公布され、
任天堂骨牌(後の任天堂)が創立し、
大隈重信外相が爆裂弾による襲撃によって右脚を失った年です。
自分の中では日本の矯正の歴史は第二次世界大戦前後ぐらいかなと思っていたので、思っていたよりも古いことに驚きました。
インダイレクトボンディング 改
私の歯科医院でブラケットを装着するときは基本的に全例インダイレクトボンディングを行っているということを以前書きました。
前に行っていたインダイレクトボンディングはブラケットが厚さ3mmのゴム製のトレーに付いた状態で歯に接着していました。
このゴム製のトレーは奥歯を付ける時に浮き上がりやすいため、奥歯はダイレクトボンディングで付けざるを得ない状態でした。
今年になって、薄さ0.2mmのシートを使う方法を聞いて試してみたところ以前の方法よりも良くなったので、切り替えました。
上の写真は部分矯正用です。
初めはこんなに薄いシートで大丈夫かなと思っていましたが、薄いのでトレーが小さくなり、口の中で操作しやすく、装着が容易になりました。
また、奥歯を付ける時も浮き上がりがなく、浮き上がったとしても押さえやすいので奥歯まですべてこのトレーで付けることができます。
つくづく、良い方法を聞いたなと実感しています。
水不足
昨年は梅雨前後に雨続きだった印象があります。
うってかわって、今年の宮崎はあまり雨が降らず、水不足になっています。
もともと宮崎は年間の日照時間が長いことで知られていますが、今年は異常なくらい雨が降っていません。
水源地は枯渇しつつあり、農業用水も不足しています。
少しはまとまった雨が降って欲しいですね。
上と下の歯の大きさのバランス
矯正の治療計画を立てる時に、歯の大きさを測ります。
多くの人は上の歯と下の歯の大きさのバランスが整っているのですが、
中には上の歯の大きさが大きい人や、小さい人など、バランスがずれている人もいます。
上下の歯の大きさのバランスをみて、上の方が大きい人を何も考えずに矯正すると上の歯が下よりも出気味になったり、
下の方が大きい人を何も考えずに矯正すると前歯の先と先で咬むようなかみ合わせになったりする恐れがあります。
そのため、事前に上下の歯のバランスを見てかみ合わせを作る上での工夫を考えています。
具体的に言うと、
下の前歯6本の横幅を上の前歯6本の横幅で割った値が0.78前後だと前歯のバランスが整っていて、これから大きく外れるとバランスがずれていることになります。
また、下の12本の歯の横幅を上の12本の歯の横幅で割った値が0.91前後だと全体的なバランスが整っていて、これから大きく外れるとバランスがずれていることになります。
このように、治療を始める前にかみ合わせの予想を立てる上で歯の大きさの計測はかかせないのです。
幼児の矯正治療を新しく設定
私の歯科医院では、乳歯のみの幼児、乳歯と永久歯の混じった小学生ごろの矯正治療をひとくくりに「こどもの矯正治療」として設定していました。
矯正治療では、
早期に治療すれば早期に治療が終わるものもあれば、
早期に治療した方が良いが治療が長く続くもの、
早期に治療しても、あとで治療してもあまりかわらないので、あとから治療した方が良いもの、
などさまざま患者さんがいます。
この中で治療システムや料金設定を考える上で問題になるのが、
早期に治療すれば早期に治療が終わる場合、
早期に治療した方が良いが治療が長く続く場合、
の取り扱いです。
今まで私の歯科医院では、
乳歯のみの患者さんで早期に治療すればほぼ乳歯の間に治療がほぼ終わる人でも42万円、
乳歯のみの患者さんで早期に治療開始してもその後の成長をコントロールする必要があるため、長期に経過を観察しなければならない人でも同じように42万円、
となっていました。
これでは早期に治療がほぼ終わる患者さんに対してかなり不利益だと思い、
新たに「幼児の矯正治療」という設定を作りました。
「幼児の矯正治療」は早期に治療を開始して、歯が生え換わる前に(かみ合わせだけでなく機能的にも)良好な状態になったら、そこで終了。
歯の生え換わり後も治療の継続や観察が必要な場合は、成長期の治療継続料を頂いて治療を継続する、
というように分けています。
幸い、今まで乳歯のみで治療を開始した患者さんはいませんでしたので、新たなシステムを作っても以前から来ている患者さんの不利益にはなりません。
早期治療を希望している保護者のかたにできるだけ来院していただけるように、今後も必要があればシステムの見直しをしていきたいと思います。