扁桃肥大と下顎前突
鹿児島大学の同窓会は年1回会報を発行しています。
先日届いた会報には鹿児島大学歯学部で博士号をとった研究の中から特に優秀な研究についての抄録が掲載されています。
その要約を紹介に絡めて、扁桃肥大の話をしたいと思います。
Pharyngeal airway in children with prognathism and normal occlusion
The Angle Orthodontist, 81:77-82,2011
咽頭後壁から舌根部の後方部までの距離が大きい児童では下顎や下顎頭が前方に位置しているという論文です。
下顎前突は下顎自体が前方に大きいものと、下顎の大きさは正常で下顎の位置が前にずれているものがあります。
下顎の形態に異常が無く、下顎の位置が前方にずれているものは位置のずれを修正すれば下顎の位置が正常になると考えられます。
ただし、なぜ下顎が前に位置しているのかを考える必要があります。
この原因の一つとして扁桃の肥大が考えられます。
扁桃が過度に肥大すると、気道が狭くなります。
気道が狭くなると呼吸しづらく、呼吸するためには下顎を前に出す必要があります。
睡眠時無呼吸症候群のスリープスプリント治療と同じメカニズムです。
下顎の位置に問題があり、扁桃が肥大しているケースでは扁桃の摘出を行い、大きさを縮小できれば解決できますが、頻繁に高熱を出すなどの重篤な症状がなければ摘出の対象とみなしてくれないでしょう。
矯正歯科医としてはこういったケースでは切ってくれれば早いのになと思ってしまいます。
最後に一言、面白い論文を読ませていただきました。
講習会
9月22日、23日の2日間、矯正の講習会に行ってきました。
講義とSTbというブラケットを使ったタイポドントを2日間にわたって勉強してきました。
前日から出発の予定が、台風により飛行機欠航。
翌日の朝1番の便で東京に向かいましたが、到着時間の関係上遅刻となりました。
講義中の入室になり、ご迷惑をおかけしました。
講義、実習は盛り沢山でなかなか2日間だけでは咀嚼しきれない状況でした。
ニッシンのワックスフォームを症例ごとに購入し、自分で試行錯誤してから臨床に活用しようと思います。
台風と今週の予定
今週は木曜、金曜に東京に出張し、矯正の講習会に出席予定です。
先週末からたまっている仕事をかたづけるため、ブログの更新をさぼっていました。
ところで、台風が接近しています。
明日の夜の飛行機で東京に行く予定ですが、欠航になるかもしれません。
高い講習料を払っているので、欠航にだけはならないように祈っています。
ブログは今週の土曜日までお休みします。
さぼってばかりですみません。
矯正の勉強会
月に1回、一般歯科医向けに矯正の勉強会を開いています。
今日はブラケットを使用して矯正治療をしている先生方に、インダイレクトボンディングの実習をしました。
人に教えていると今までとは違った視点で自分の知識や経験を眺めることができ、新たな発見をすることがあります。
明日になると忘れていそうなので、今のうちにメモを取っておこうと思います。
予約制
私の歯科医院では予約制をとっています。
飛び入りの場合、時間が空いていれば対応できますが、
他に患者さんが入っていれば、予約の患者さんを優先するため予約が空く時間まで待っていただくか、予約を取ってもらって改めて来院していただいています。
予約制でない場合、夕方や土日に患者さんが集中し、際限なくお待たせすることになると予測されます。
せっかく貴重な時間を割いて来院していただいているので、お待たせせずにスムーズに治療できるようにと考えています。
人気の日時は埋まりやすいので、早めに予約で抑えていただくことをお勧めします。
部分矯正の適応
矯正の相談でしばしば、
「部分矯正で治りますか?」
と聞かれることがあります。
患者さんが何を気にして来院されたか、
それを実現するにはどのような仕上がりになるかを考えて相談を受けています。
仕上がりを思い浮かべ、現在の噛み合わせと比較すると、どのように歯を動かす必要があるかが想像できます。
それが部分矯正でもできることは少ないです。
見た目上、気になる部分は一部かもしれませんが、その気になる部分を形作っているのはかみ合わせ全体であることが多いのです。
日曜診療
今日は日曜診療の日でした。
平日に来ることができない患者さんのため、月に1回だけ日曜診療の日を設けています。
昨年は日曜日に開けていても1~2人程度しか来られませんでしたが、最近は予約が埋まるようになってきました。
ただ、日曜診療は普段休んでいる曜日に診療をするので、いつもより少し疲れます。
月に1回が限度かなと思っています。
再治療
矯正診療をしていると、他院で矯正治療を受けたが仕上がり具合に納得がいかず、再治療の相談に来られる患者さんが時々いらっしゃいます。
矯正専門で開業している歯科医師からみて、うまく治療している患者さんもいれば、
ちょっとこの仕上がりは・・・と思ってしまう患者さんもいます。
前者については、ドクターと患者さんの間の意思疎通に問題があったのかなと思いますが、患者さんの不満に思っている点を聞きつつ、かみ合わせの状態についてしっかり説明すると納得される患者さんも少なくありません。
一方でちょっとこの仕上がりは・・・と思う患者さんについてはなるべくなら元の歯科医院で相談して再治療されることを費用面からもおすすめしています。
元の歯科医院での再治療を希望されない場合、費用負担が少なからず生じることを説明して納得されたら再治療を引き受けるようにしています。
どちらのケースもドクターと患者さんの意思疎通がしっかりしていれば生じない問題だと思います。
治療結果に悩む患者さんが一人でも少なくなればとつくづく思います。
レントゲン撮影時に肩が装置にぶつかる・・・orz
矯正治療のための検査の時に、X線写真を何枚か撮ります。
最近、立て続けにX線写真撮影中に装置が肩にぶつかって体が動く患者さんがいました。
以前、筋肉質で肩が大きい成人男性で装置がぶつかる経験がありましたが、子供や女性で立て続けにぶつかっています。
なぜかなと思って見てみると、立ったときの姿勢で、右肩と左肩の高さが違い、上にあがっている方が装置にぶつかっていました。
少し姿勢を補正して立たせると装置に当たることはなくなるのですが。
将来的に肩こりや腰痛が出てきそうだなと思いました。
それにしても姿勢に悪い人が多いな。