咬み合わせと転倒事故経験
本日手元に届いたスポーツ歯学という雑誌から、
「咬合状態と転倒事故経験の関連性に関する調査研究」という論文に、
一般の成人に対し、「奥歯でしっかり噛めますか」という質問を行い、「はい」と「いいえ」と答えた人たちを比較すると、「はい」と答えた人は転倒事故が少ない傾向にあったということが書いてありました。
噛めることは体の機能に対して重要な働きをしており、高齢者で歯がなくなって噛めなくなると体のバランスが低下するということや、歯がない人に入れ歯を入れると歩くスピードが早くなりや歩幅が広くなるという報告もあります。
年をとってからもよく噛めるようにすることがいかに重要かを再認識させられました。
外科的矯正治療の数
今日は外科的矯正治療の症例数についてです。
私が矯正歯科に入局したころは外科的矯正治療が必要な患者さんが多かったです。
出身大学では矯正患者自体が全国的に見ても少なかったのですが、年間40~50件程度は外科的矯正治療を行っていたと思います。
私の実感として2005年あたりから外科的矯正治療の患者数が減ってきたように感じています。
その後違う大学に勤務するようになったのですが、その大学で外科的矯正治療の手術件数を調べると、だんだんと減少していました。
全国的なデータを見ていないので正確なところはわかりませんが、矯正治療を子供のときから受ける患者さんが多くなり、外科的矯正治療が必要になる人が減っているのではないかと考えています。
虫歯、処置済みの歯の数
最近子供の患者さんの比率が上がってきています。
立て続けで子供の口の中を見ていて思うのが、最近の子供の口の中の虫歯や、虫歯治療後の歯の数が減ってきているなということです。
実際にデータでも示されていますが、私が矯正歯科に入局したころは子供の患者さんの口の中には虫歯や処置済みの歯が大体数本ぐらいはあり、逆に虫歯が1本もない患者さんが少なかったように思います。
現在、私の歯科医院に受診する子供の患者さんは虫歯や虫歯になって処置した歯が無いのが普通といった状態です。
矯正治療に子供をつれてくる保護者のかたの口腔衛生に対する意識が高いのと、私たちの先輩の歯科医師の努力のたまものかなと思っています。
あと10年もすれば成人の矯正患者についても虫歯や虫歯になって処置した歯が無いのが普通といった状態になればと思っています。
アクセス解析
このブログはHatena上で公開しています。
Hatenaの有料のコンテンツにブログのアクセス解析があり、自分のブログの特徴だけでなく、このブログを呼んでくれている方々がどのような検索語でやってきたかということもわかります。
世間一般の関心と自分のブログの構成がかならずしもマッチしているわけではありませんが、どのような検索語が多かったかを見ると矯正のブログにやってくる方がどのような内容に興味を持っているか、ある程度分かります。
今年に入って、特に多かった検索語(歯科、歯、矯正、矯正歯科、宮崎を除く)は顔、乳歯、歯根吸収、美人、永久歯の順でした。
矯正について検索される方は、やはり顔や美人など顔の外見に興味を持っていることを再認識しました。
矯正治療の痛み
私の歯科医院では矯正治療中の患者さんが再診されたときには痛みに関するアンケートをとるようにしています。
内容は簡単で、痛みがあったか、どのくらい続いたかというものです。
アンケートをながめていると、子供の方があまり痛がらず、大人のほうが同じように力をかけていても痛みが続きやすいです。
なるべく痛くないように治療を行いたいので、成人の矯正治療の最初のワイヤーをもう少し細くしようかなと考えています。
夏休み中の矯正相談
夏休みに入ってから(学校によっていつから夏休みなのかは異なりますが、海の日以降とさせていただきます)矯正相談が少し増えました。
その内訳は、ほとんど小学生の患者さんで、中学生以上は1人だけです。
すごく患者さんの年齢層が偏っているので興味深いです。
生え換わり後の反対咬合
前歯が生え換わったときに前歯が反対に噛んでいる子供さんは多いです。
このように生え換わり後に反対咬合になる子供の多くは、上の前歯が内側に倒れていたり、下の前歯が前に倒れていたりなど歯の傾きの異常によるもの、もしくは歯の傾きの異常とわずかな骨格の異常の組み合わさった場合がほとんどです。
歯の傾きの異常が原因の反対咬合は、噛む時に最初に上の前歯の外側の面に下の前歯の内側の面があたるため、前歯に誘導されてあごが前にすべり、前歯が反対に噛みます。
この状態が長く続くと、下あごが前に大きくなり、骨格的な反対咬合になります。
早期に歯の傾きを整えると短期間で歯の傾きを改善できることが多いです。
ただし、その後の発育によっては下あごが大きくなり再び反対咬合になるケースも多いので、なるべく長期間経過を見ていくことが必要です。
猫背(円背)のタイプ
猫背(円背)は首の痛み、肩こり、腰の痛みだけでなく、歯並びやあごの骨格にも影響します。
その猫背の解消方法について、テレビで詳しく扱っていましたのでご紹介します。
日本テレビ系列の「世界一受けたい授業」の7月2日放送分(宮崎は約4週間遅れで本日7月29日放送分)で、首猫背、背中猫背、腰猫背、お腹猫背の4タイプに分けて、チェック方法とその解消方法を提示していました。
世界一受けたい授業のwebページにも載っていますので、猫背にお悩みの方はご覧ください。
かなりわかりやすいです。
Tablet PC
患者さんへの治療計画の説明はカウンセリングルームで行っています。
カウンセリングルーム以外でも説明ができるように、Tabletを買うことにしました。
iPadにするか、Androidにするか、Windows 7にするか悩みましたが、現在患者説明に使っているのがWindowsのPower Pointなので、そのまま使えるようにWindows 7搭載のTablet PCを選びました。
AcerのICONIA W-500です。
Officeをインストールして、プレゼン用のファイルを動かしてみました。
重いです。
デスクトップの時以上に患者さんに説明したいページに移るのにストレスを感じます。
プレゼンをPower Pointではなくhtmlで作り直そうかなと思ったのですが、
それだったら別にWindows 7にこだわらなくても良かったなと思い、少し後悔しました。
明日からひまを見つけてプレゼンを作り直します。
歯の先天的な欠損と不正咬合
歯の数が先天的に少ない人はかなりの数にのぼります。
奥歯の数が少ない場合は歯並びに大きな影響を与えないことが多いですが、
前歯の数が足りないと噛み合わせに大きく影響してきます。
先天的な歯の欠損は前から2番目(側切歯)と5番目(第二小臼歯)に多く、特に下の前から2番目の歯が1本先天的に欠損している人はかなり多いです。
このばあい、少し上顎前突ぎみになります。
中には下の前歯が2本欠損している人もいて、
そういった人では下の写真のようにかなりの上顎前突になります。