咬むことの重要性
木曜日、定休日です。
しかし仕事をたくさん残っているので休日出勤です。
宮崎は薄曇。
昨晩の「ためしてガッテン」で咬むことの重要性について放送されていました。
以前このブログでも述べました歯根膜の感覚受容の話から、
さらに咀嚼が脳の活性化につながるという話まで、
なかなか面白い内容でした。
実際、眠い時はガムを咬んだりしていると少し眠気がおさまります。
どんな咬み応えの食材でもしっかりと自分の歯で咬めることは重要です。
学生時代、咬める入れ歯を手に入れた患者さんが何でも食べることができると喜んでいたことを思い出します。
自分の歯で何でもずっと食べられるようにするには虫歯や歯周病にかからず、しっかりお口の中を保つことが必要です。
皆さんのお口の中が良い状態で保たれますようにと思います。
(できれば定期的にお口の手入れを受けてくださいね)
ホワイトニング 6. その他
その他の歯を白くする方法についてです。
歯をぶつけたりして神経が死んでしまうと歯が黒く変色してくる場合があります。
こうなると神経を除去し、神経の入っていた穴をきれいにして中に詰め物をする必要があります。
このような歯の色を白くするために、神経の穴の処理をしっかりしたあと歯の中から漂白する場合もあります。
薬の影響によって歯が変色している場合、
漂白などでは患者さんがのぞむ歯の色にすることは難しいです。
そのようなとき、神経が生きている歯では歯の表面を薄く削ってラミネートベニアを貼り付けたり、
神経が死んでいる場合は補綴で歯の色を整えます。
ここまで6回に分けてホワイトニングについて書いてきました。
このシリーズは今回で終了です。
ホワイトニング 5. 修復
ホワイトニングの5回目です。
以前にも書きましたが、人工物にはホワイトニングの効果が及びません。
もともと人工物は周囲の歯の色に合わせて作られるので、周囲の歯をホワイトニングによって白くした場合、修復物の色だけ元の周囲の色のままになります。
そこで必要になるのが修復物を新しくやりなおすことです。
プラスチックの詰め物の場合、
詰め物を除去し、
プラスチックを新しい歯の色に合わせて詰め、
光を当てて固め、
最後に磨いて完成です。
かぶせものの歯の場合は少し大変で、
かぶせものを除去し、
型どりと色合わせをして、
完成した新しいかぶせものを入れます。
このように、手間と費用がかかりますので、白い歯を手に入れたいという希望のある人は虫歯などを作らないようにしていただければと思います。
ホワイトニング 4. 歯のコーティング
歯のホワイトニングシリーズ4回目です。
歯の表面からのホワイトニングでどうしても白くならない歯というものがあります。
たとえば、薬の副作用で変色した歯、神経が死んで変色した歯、修復物が入っている歯などです。
神経が死んで変色した歯は歯の中から漂白していけば白くなります。
修復物の入っている歯は修復物をやり直せば歯を白く見せることも可能です。
薬の副作用で変色した歯は、虫歯のない健全な歯でも白く見せようとすると歯の表面を削ってラミネートべニアなどを貼り付けるといった治療になります。
いずれの方法も短時間でというのは難しく少し時間がかかります。
ごく短時間で白く見せたいときなどに使用される方法として、歯のマニキュアとかコーティングといわれる方法があります。
これは歯の表面に白いコーティング材を薄く一層盛り足して、元の歯より白く見せる方法です。
1,2回の来院で白く見せることができる簡単な手法なのですが、衝撃に弱いため、一時的な方法と考えていただいた方が良いです。
ただし、急な用件で一時的でも良いので歯を白くしたい場合に有効です。
このコーティングは金属の上にも施すことができますが、咬む面には使えませんので、下の歯には使えないと考えてください。
株式会社松風 ビューティーコートのカタログから写真転載
マーブルガム
愛知県に丸川製菓株式会社という製菓メーカーがあります。
小さい頃母からもらった20円のお小遣いを握り締め、駄菓子屋さんに行くことが大きな楽しみでした。
その駄菓子屋さんでよく買っていたのが丸川製菓のガムでした。
丸川製菓といえば、フェリックスガムが定番です。
このガムには当たりがあり、10円で購入したあと、包みをはがすときに当たりますようにとよくお願いをしたものでした。
私が小さい頃、購入したもう一つの定番商品がマーブルガムです。
マーブルガムはその当時4個入りで10円。
箱をあけて、箱の端に当たりがついていて、当たりがでればもう一箱もらえました。
一度、10円で購入してそれが当たり、もう一箱もらい、それを開けるとまた当たりということがあり、そのときはものすごくうれしかったことを覚えています。
このマーブルガムですが、最近歯科医院向けにキシリトール入りの商品が提供されています。
歯科医院での販売や配布用に開発されたものだそうです。
ネットに写真が無いかなと探しましたが、ありませんでした。
患者さん向けというよりはむしろ自分で箱買いしたいな。
ホワイトニング 3. オフィスホワイトニング
ホワイトニングシリーズ3回目はオフィスホワイトニングです。
オフィスホワイトニングは歯科医院で行う歯の漂白(ブリーチング)です。
ホームホワイトニングと違い歯科医院で短期間で行う漂白なので、かなり強い漂白剤を使っています。
手順としては、
1.歯の表面の汚れを落とし、
2.薬剤が歯ぐきに付かないように、歯ぐきの上に保護材を付けます。
紫外線を使用するものでは口や顔の上に紫外線防護用の布などをかぶせる場合もあります
3.漂白する歯の上に薬剤をのせ、一定時間漂白を行います。紫外線を使用するものはその間に紫外線照射を行います。
4.漂白時間が終了したら、薬剤を丁寧に除去し、歯肉保護材を取り除きます。
私の歯科医医で使用しているのは紫外線などの照射の必要のない薬剤(Opalescence boost)ですが、
照射するものが一般的です。
オフィスホワイトニングは短時間で漂白できるところは良いのですが、かなり白くするには回数を繰り返す必要があります。
その分費用がかさみますので、最初に短時間で色を白くし、そのあとゆっくり自宅で臨む白さまで漂白を行う、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの組み合わせをお勧めしています。
ホワイトニング 2. ホームホワイトニング
ホワイトニングシリーズ2回目はホームホワイトニングです。
ホームホワイトニングは自宅で行うホワイトニングで、歯を漂白(ブリーチング)して歯を白くする方法です。
ホームホワイトニングの方法は、
1.歯科医院で歯の表面を徹底的にクリーニングし、
2.歯科医院で歯型を採って、ホワイトニング用のトレーを作ります。
3.自宅で漂白を始める前によく歯磨きをして、歯をきれいにします。
4.トレーに薬剤を適量入れて、歯に装着し、漂白を始めます。
5.適当な時間漂白を行ったら、トレーをはずし、口をしっかり漱ぎます。
6.トレーもしっかりと荒い、次回ホワイトニングを行うまで冷暗所で保存します。
といった手順で行います。
薬剤は一般的には過酸化尿素を使用していますが、より効果の強い過酸化水素をしようしている薬剤もあります。
使用する時間は、日中短時間使用するものもありますが、夜間睡眠中に使用するのが一般的です。
私の歯科医院では日中使用、夜間使用を選べるように両方取り揃えていますが、ほとんどみなさん夜間使用を選ばれています。
ホワイトニングの効果としては時間をかけて漂白できるので、かなり白くなります。
また、薬剤のシリンジがなくなっても、シリンジを追加で購入してホワイトニングを継続することができます。
ただし、あまりホワイトニングを継続しすぎると、知覚過敏がでやすくなるので注意してください。
ホワイトニング 1. 歯のクリーニング
昨年10月22日の記事でホワイトニングには様々な方法があると書きました。
実際に歯を白くしたいという患者さんの話を聞いてみると、どう白くしたいのか、どの部分が気になっているのか様々です。
そこで、今日からしばらく様々な歯を白くする方法(ホワイトニング)について書いていきます。
歯の色は様々な原因によって作られています。
その中でも、歯の表面に付く色は生活習慣などですぐに付いていきます。
特に、歯磨きが十分でない部分にはごく短期間でつきます。
上の写真をみてわかるように、歯が少し黄色くなっているのは歯と歯の間、歯の裏側、奥歯です。
磨き残しが長期間残れば、歯に付着した歯垢に唾液に含まれるカルシウムが沈着し、歯石になります。
歯石ができると歯磨きでは落とせなくなります。
歯の表面に歯石や歯垢など、ざらついたものやねばねばしたものが付いていると、そこに色が付きやすくなります。
ただし、いくら歯をつるつるにしても、歯磨きが十分に行えないと、再び色がついてしまいます。
この歯のクリーニングは虫歯や歯周病予防にも効果的です。
定期的に歯科医院で行ってもらえば、きれいな歯とお口の健康を保つことができます。
美容院などで髪を定期的に整えてもらうのと同じように、歯科医院で定期的に行ってみて歯いかがでしょうか。
歯科医院数
矯正歯科医向けの雑誌で、「矯正臨床ジャーナル」という雑誌があります。
今月号の記事に、全国の歯科医院数が掲載されていました。
今日は歯科医院数について書いていきます。
昔は、歯科医師は羽振りの良い職業と考えられていました。
実際に、私が小学生頃はかなりの年収だったそうです。
さて、現在は、
ワーキングプアの職種として認識されつつあります。
全国に歯科医院数は6万7888軒(平成20年2月時点)あるそうです。
ちなみにコンビニは約4万軒、ラーメン店は約6万3千軒、美容院は17万6千軒だそうです。
コンビニ、ラーメン店、美容室とも、みなさんにとって頻繁に足を運ぶ場症ではないでしょうか。
しかし、歯科医院は何かトラブルが起きた時だけ行かれる方も多いと思います。
それらを考えると、歯科医院の数はかなり多いですね。
矯正臨床ジャーナルの記事では平成2年から17年の間に歯科医院が268軒倒産しているそうです。
多くの歯科医院にとって収入の大きな柱は保険診療ですが、保険点数はこの20年間ほとんど変わっていません。
歯科医師数については、医学部の卒業生が年間7千~8千人に対し、歯学部の卒業生は2千700人~3千人だそうです。医師不足が叫ばれている中、歯科医師数は供給過剰の状態です。
現在、歯科医師国家試験の合格率は7割程度、医師の合格率よりかなり低く抑制されています。ひとつには試験を厳格化し、優秀な人材のみ選抜しようという考えもあるでしょうが、恐らくは歯科医師数抑制も考えているでしょう。
今後は歯学部入学定員削減、さらには歯学部廃止も視野に入っているでしょう。
ただ、日本の政治は必要で痛みを伴うことでも、すぐに変更することはできないでしょうから、歯科医師数、歯科医院数ともに今後さらに増加すると思います。
保険点数についても、社会保障費抑制の観点から抑制されたまま、もしくはさらに削減されるかもしれません。
歯科医師、歯科医院供給過剰については、患者さんにとって選択の幅が広がるとか、競争が生まれるとか言われていますが、利益を上げている歯科医院がかならずしも良い診療をしている歯科医院とはいえません。
世間は不況だから、コスト削減の努力をしろと言われそうですが、どこの歯科医院も少ない収入の中から利益を上げるために努力しています。
東京の歯科医師は自分の子供を歯科医師にはさせたくないと考えている人が多いそうです。
歯科界は思い切った方向転換が必要な時期に来ているのかもしれません。
愚痴っぽい記事ですみません。
ハーバルロリポップ
朝食を食べながら「知っとこ」を見ていると、ハーバルロリポップというキャンディが放送されていました。
甘草(リコリス)エキスを含んだキャンディで、虫歯の原因菌の働きを3~6か月抑制すると謳っています。
甘草は生薬として良く知られ、風邪薬にも使われています。
最近、欧米で薬として使用されるものは元々漢方として使用されていたものが増えているような気がします。
インフルエンザ治療薬として知られるタミフルは八角を使用しています。
甘草の虫歯原因菌の働きの抑制については論文で読んだことがなかったので、本当かどう
か調べてみようと思います。