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2011.01.31

歯科医院数

矯正歯科医向けの雑誌で、「矯正臨床ジャーナル」という雑誌があります。

今月号の記事に、全国の歯科医院数が掲載されていました。

今日は歯科医院数について書いていきます。

 

昔は、歯科医師は羽振りの良い職業と考えられていました。

実際に、私が小学生頃はかなりの年収だったそうです。

さて、現在は、

ワーキングプアの職種として認識されつつあります。

 

全国に歯科医院数は6万7888軒(平成20年2月時点)あるそうです。

ちなみにコンビニは約4万軒、ラーメン店は約6万3千軒、美容院は17万6千軒だそうです。

コンビニ、ラーメン店、美容室とも、みなさんにとって頻繁に足を運ぶ場症ではないでしょうか。

しかし、歯科医院は何かトラブルが起きた時だけ行かれる方も多いと思います。

それらを考えると、歯科医院の数はかなり多いですね。

 

矯正臨床ジャーナルの記事では平成2年から17年の間に歯科医院が268軒倒産しているそうです。

多くの歯科医院にとって収入の大きな柱は保険診療ですが、保険点数はこの20年間ほとんど変わっていません。

 

歯科医師数については、医学部の卒業生が年間7千~8千人に対し、歯学部の卒業生は2千700人~3千人だそうです。医師不足が叫ばれている中、歯科医師数は供給過剰の状態です。

 

現在、歯科医師国家試験の合格率は7割程度、医師の合格率よりかなり低く抑制されています。ひとつには試験を厳格化し、優秀な人材のみ選抜しようという考えもあるでしょうが、恐らくは歯科医師数抑制も考えているでしょう。

今後は歯学部入学定員削減、さらには歯学部廃止も視野に入っているでしょう。

ただ、日本の政治は必要で痛みを伴うことでも、すぐに変更することはできないでしょうから、歯科医師数、歯科医院数ともに今後さらに増加すると思います。

保険点数についても、社会保障費抑制の観点から抑制されたまま、もしくはさらに削減されるかもしれません。

 

歯科医師、歯科医院供給過剰については、患者さんにとって選択の幅が広がるとか、競争が生まれるとか言われていますが、利益を上げている歯科医院がかならずしも良い診療をしている歯科医院とはいえません。

世間は不況だから、コスト削減の努力をしろと言われそうですが、どこの歯科医院も少ない収入の中から利益を上げるために努力しています。

東京の歯科医師は自分の子供を歯科医師にはさせたくないと考えている人が多いそうです。

歯科界は思い切った方向転換が必要な時期に来ているのかもしれません。

 

愚痴っぽい記事ですみません。