九州地区生涯研修セミナー
今日は朝から九州地区生涯研修セミナーに出席しました。
セミナーは2講演あり、「口腔粘膜疾患の診断ポイント」と「欠損歯列の咬合を読む」という内容でした。
午前中に2時間の講演を2コマというのは結構疲れました。
歯周病の治療と矯正
歯周病の患者さんに対し、歯周病の治療の一部分として矯正治療を行うことがあります。
歯周病は歯を支える骨、歯根膜、歯肉など、歯周組織の疾患で、その多くは口の中の細菌が産生する毒素によって歯周組織に炎症が生じたものです。
歯周病治療の成功のカギになるのがブラッシングによる細菌の除去です。
ところが、下の写真のように歯並びが悪い場合、歯の周囲の細菌をすべて取り除くのが困難な場合があります。
こういったケースでは、歯周病の治療がある程度進んだ状態になってから、矯正治療で歯並びを整えることがあります。
歯並びが改善すれば、歯磨きが容易になり、歯周病治療が奏功しやすくなります。
歯周病をお持ちで、歯並びの悪い方は矯正治療もご検討ください。
平成20年度医療費マップ
平成20年度医療費マップという資料があります。
各市町村で国民健康保険の医療費がどうだったかを示す資料です。
この資料の中には歯科の医療費がどうだったかも示されています。
医療費は年齢構成によっても左右されるため、この資料には年齢補正をかけた場合どうなるかも示されています。
年齢補正されたデータによると、宮崎の歯科医療費は39位、最下位は沖縄でした。
トップ5は大阪、福岡、広島、兵庫、東京の順です。
ちなみに市町村単位で歯科の医療費が高いのは、
坂町(広島)
音威子府村(北海道)
青ケ島村(東京)
中頓別町(北海道)
奈義町(岡山)
の順で、
低いのは、
金山町(福島)
風間浦村(青森)
下北山村(奈良)
西米良村(宮崎)
北大東村(沖縄)
の順です。
坂町の歯科の医療費は金山町の約3倍です。
なぜ坂町はこれほど高くなっているのでしょうか。またなぜ金山町はこんなに低いのでしょうか。
興味があります。
歯学部・歯科大の定員割れ
歯科業界の印象は、昔は「儲かる」というものでしたが、現在は「ワーキングプア」と変わってきました。
特にここ数年はその印象が定着してきています。
全国の歯学部・歯科大の定員総数は2459人ですが、実際に入学したのは2158人(87.8%)にすぎません。
実際に入学した人数/入学定員総数を充足率といいますが、20年は96.9%、21年は92.4%、22年は84.7%だそうです。
23年は前年より改善しているように見えますが、実際には定員が129人減っているので入学者で比較すると34人減っています。
定員割れは例年は主に私立で見られましたが、今年は震災の影響を受け、東北大学の歯学部でも生じました。
特に原発事故のあった福島県にある奥羽大学では昨年より8.3%下落しているそうです。
このまま低下が続けば歯学部や歯科大学の整理が始まるかもしれません。
仕上げ磨き
子供の矯正治療の場合、固定式の装置が入っていると多くの場合磨き残しが生じます。
装置が入っていない場合でも、自分ひとりで磨き残しなくしっかり磨ける子供は少ないです。
そこで、子供の矯正治療の場合、1日1回は必ず仕上げ磨きをして完全に汚れを落とすように指導しています。
虫歯を新たに作ることなく矯正治療を終えることができるように、治療を受ける患者さんだけでなく、ご家族もサポートしていただければと思います。
噛む回数とメタボ
平成23年6月15日発行の日歯広報から
都道府県通信
長崎県
「咬合回数の計測器で食育推進」
・・・その結果、人は1日3度の食事で約3500回噛んでいることや、「食べる速度が速く、かつ咬合回数が少ない者」は、「食べる速度が遅く、かつ咬合回数が多い者」と比べ、「20歳からの体重増加が10kg以上」「BMIが25以上」「腹囲が男性で85cm、女性で90cm以上」「血糖値が110以上」「HbA1cが5.9%以上」の割合が大きいことなどが分かった。
よく噛むと満腹中枢が刺激されるということは昔から言われています。
必然的に肥満や糖尿病を防ぐ効果が出てくるのでしょう。
噛むことの重要性を再認識させられる記事でした。
マッサージチェア? いえいえ、診療用ユニットです。
むかし、「診療用ユニットにマッサージ機能をつけるとリラックスできるね」と冗談で話をしたことがあります。
昨日送られてきた日本歯科医師会雑誌の裏を見ていると、GCとFamilyが共同開発でマッサージ機能付きの診療用ユニットを開発していました。
用途には、メンテナンス時、矯正用、ホワイトニング用と書かれていました。
欲しい気も一瞬しましたが、ブラケットポジションを変更しているときなどに、腰揉みなどのローラーの動きに合わせて患者さんに動かれても困るかなと思いました。
ホワイトニング用には良いかもしれませんね。
社保勉強
梅雨の大雨のため、少し来院される患者さんが減っています。
比較的時間の余裕ができたため、習癖除去指導に使っているマニュアルを見直していると、ブログを書くのを忘れたまま診療室を後にしていました。
診療時間終了後、今日は県の歯科医師会主催の社保の勉強会に行ってきました。
保険診療には様々なルールがあり、ルールに則って適切な診療を行い、診療内容を適切に記載し、適切に保険請求を行って始めて医療費が振り込まれます。
このルールは結構複雑で、勉強不足で不適切なことをすると請求通り医療費が振り込まれず、ひどい場合は行政処分などもあります。
逆に、適切な診療を行っていながら、請求できるのに請求漏れがある場合もあります。
この場合は「もっと請求できますよ」というようなことを国保や社保側から指摘をしてもらえれば良いのですが、世の中は甘くなく、そのような指摘はしてもらえません。
過度な請求には厳しく臨み、請求不足はそのまま流されます。
連携医療
そえじま矯正歯科は矯正歯科専門の歯科医院です。
時々、「かぶせものがはずれたのですが」とか「歯が痛いので診てもらえないですか」というかたがいらっしゃいます。
そのたびに、「矯正専門で一般歯科治療は行っていません」と答えています。
実際に、一般歯科治療しようにも院内には道具や材料を整えていません。
そういったわけで、口腔外科的な処置、虫歯の治療、歯周病の治療、補綴が必要な場合は他院に紹介になります。
患者さんにとっては一つの歯科医院で治療が完結する方が良いとは思いますが、十数年矯正治療ばかりやってきたため、一般歯科治療には踏み込めません。
ご容赦ください。
歯のランプ
歯科に関する書籍を扱っている会社から、新刊の案内といっしょに雑貨の案内が送られてきました。
この雑貨の案内が、歯の形の小物入れやごみばこなどユニークなものだったのですが、
その中でもひときわ目を引いたのが歯の形をしたランプです。
スツールとしても使えるようでした。
これを並べてワイヤーとブラケットを付けてみたいなと思いました。