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2011.01.25

人種、民族の違いと美人顔

人の好みは千差万別です。

しかし、好みには多数意見があり、やはり多くの人にとって好みとされるものは存在します。

一方で、昔から「蓼食う虫も好き好き」というように、少数意見を持つ人がいることによって世の中の多様性は維持され、それによって世界は面白くなっています。

さて、今日のお話は美人顔についてです。

韓国の形成外科医が、「人種や民族が異なるとどのような顔を美人と考えるか」(Attractive Composite Faces of Different Races. Rhee SC and Lee SH, Aesthetic Plastic Surgery, 34(6), 800-801)という面白い研究を発表しています。

この論文はCNNにも取り上げられていて、記事によると、

アフリカ系、白人系、中国人、日本人、韓国人について、それぞれの人種、民族の中で活躍する美人女優、モデル、アーチストの顔をミックスして作りあげたようです。

日本人の顔は広末涼子さんや沢尻エリカさんなど、14人の美人の顔をミックスしたようです。

 

ちなみに、日本人女性の平均顔です。

 

日本人の美人顔の平均と、日本女性の平均顔を並べてみました。

論文には、平均顔よりも美人の平均顔のほうが美人に見えること、美人の平均顔がかならずしもその民族、人種の理想の美人顔ではないと書いてあります。でも、十分に美人に感じますけど。

同じモンゴロイドでも中国人、日本人、韓国人の美人顔は少しことなっています。

私の主観でも、それぞれの美人顔は美人に感じますが、日本人の美人顔に一番惹かれます。

おそらく、日本人の中でも世代が異なれば美人顔の平均が異なるのではないでしょうか。

各世代ごとの美人顔の比較を見てみたいものですね。

あと、高望みですが、10代から40代の美人顔の平均とセファロデータの比較があれば矯正治療に活用してみたいですね。

2011.01.24

歯根吸収

正歯科医の悩みの種のひとつ、歯根吸収についてです。

歯根吸収は歯根が溶け、元の歯根の形から変形することです。

矯正治療中にしばしば起きる偶発症なのですが、これが結構やっかいです。

上の写真は矯正治療中に歯根の先が吸収したケースです。

わかりやすいように、右に歯根が吸収した量を赤く塗りつぶしています。

歯根吸収は歯根表面のすべての場所で起きる可能性があります。

また、歯根の先に起きる吸収はしばしば大きく進行し、元の歯根の長さの半分以上吸収する場合もあります。

軽度の歯根吸収はあまり問題にならず、安静にしておくと少し歯根が再生する場合もあります。

しかし、大きく進行した場合は歯が動揺しやすくなり、また歯周病などで歯を支える骨が少なくなってくると抜けやすくなります。

このようなことから、歯根吸収をなるべく起こさないようにしないといけないのですが、完全に防ぐことは難しいです。

 

一般的には、

歯根の先に強い力を加えると歯根吸収しやすい、

歯根の先を動かす距離が長いほど歯根吸収しやすい、

歯根の先が骨の表面に当たってくると歯根吸収しやすい、

歯根の先が細長いと歯根吸収しやすい、

歯根の先が曲がっていると歯根吸収しやすい、

歯根の先を揺らすような力の加え方をすると歯根吸収しやすい、

矯正治療前から歯根吸収している人は歯根吸収しやすい、

歯をぶつけたことのある人は歯根吸収しやすい

など、いろいろと言われています。

 

しかし、中には上の条件に当てはまらなくても歯根吸収する人がいるので困ってしまいます。

 

私の歯科医院ではなるべく歯根吸収を起こすリスクを避けるため、マルチブラケットを行う患者さんについては、初回検査の時にパノラマ写真だけでなく、前歯のデンタル写真も撮り、歯根の形を詳しく調べています。

前歯のデンタル写真から歯根吸収のリスクがあると判断された場合は、治療目標の修正や治療方法の修正を行い、歯根吸収を減らす努力をしています。

今後、歯根吸収に関する研究がすすみ、歯根吸収をなくすことができればと思っています。

2011.01.22

アナウンスボード

歯科医院の自動ドア前に、矯正とホワイトニングの案内を掲示しています。

今までの掲示はインパクトが弱かったのと、文字が色あせてきたので作り変えました。

昔のボードの写真を撮り忘れていたので、比較できませんが、

インパクトがあり、見栄えがよくなりました。

2011.01.21

スマイルライン

欧米では、テレビ、新聞や雑誌によく出てくるような有名人はほとんどが矯正治療経験者か、矯正治療中だったりします。

映りを意識し、ネガティブな印象をできるだけ与えないようにという配慮もあるのでしょう。

矯正治療に対する意識も異なり、

アメリカでは子供の歯並びを良くすることが親の義務だと言っていたり、

成人になってから矯正治療を始めると、子供のころに受けさせてもらえなかったのかなと思われたりします。

矯正治療に限らず、審美に対する要求はシビアで、良い印象を受けたいという欲求はかなりのものです。

そういった背景から、アメリカなどではスマイルの時の見栄えも重視され、歯の見え方をどのようにすれば魅力的なスマイルが得られるかということも研究されています。

上の二つの写真は歯並びという点からは並んでいますが、スマイルの時の歯や歯ぐきの見え方が異なります。

スマイルのときの歯や歯ぐきの見え方は、上の歯の位置と表情筋の機能が関わってきます。

上の写真では上の前歯が下に伸び出しているため、歯ぐきが大きく露出し、

下の写真では口角を引き上げる表情筋の機能が低下しているため、少し年老いたスマイルになっています。

上の写真は理想的なスマイルラインです。

上くちびるのラインからわずかに歯ぐきが見え、下くちびるのラインの少し上に上の歯の先が並んでいます。

みなさんのスマイルはどのような感じですか?

2011.01.20

口元や表情に対する関心の高さ

おはようございます。

今日は木曜日、定休日です。

仕事をせず、ゆっくりしたいところですが、新規開業対象の集団指導が今日行われます。

少しブルーです。

さて、一昨日矯正治療前後の口元の変化を書きましたが、

その記事がブログ村の歯科矯正ランキングで一位をいただきました。

ご閲覧ありがとうございます。

今回はさらに、歯科矯正のランキングの一つ上の美容ランキングでも昨日夜の時点で一位になっていました。

皆さんの口元や表情に対する関心の高さをあらためて知ることができました。

2011.01.19

矯正治療の進歩

昨日、矯正の治療症例集を眺めていました。

その中で、昔の矯正装置の写真がカラーで載っていました。

私が教わった教授から、「昔は患者さんの歯1本1本にバンドを巻いて矯正治療を行っていた。」と聞かされました。

今はブラケットを歯に接着することができますが、昔はそういった接着剤がないため、バンドを巻いて歯に留めていました。

すべての歯にバンドを巻くため、痛みもすごいようで、「患者さんが痛みで泣いていた。」ともおっしゃってました。

今ではこうなっていますから、材料や技術の進歩はすごいですね。

ただ、治療のやり方が洗練されてきただけで、根本的な治療方法には大きな進歩はありません。

矯正治療をガラッと変えるような画期的な治療方法は今後出てくるのでしょうか?

2011.01.18

矯正治療による口元の印象の変化

昨年末に癖の除去の重要性と、簡単なトレーニング方法について書かせてもらいました。

癖の除去のトレーニングは、

歯並びが悪かったひとが矯正治療を行い、よくなった歯並びを安定させるためや、

まだそれほど歯並びが悪くなっていない子供などが、癖によって将来的に歯並びが悪くなるのを予防する場合に効果的ですが、

すでに歯並びが悪い状態の人がトレーニングのみで歯並びが完全に良くなることは難しいです。

 

癖によって悪くなった歯並びを矯正治療で整えると、癖も取り除きやすくなります。

上の写真は上の前歯が出ているため、口が閉じにくかった患者さんの写真です。

上の前歯が出ている状態では意識していないときにはなかなか口を閉じることができません。

口元も出た印象になっています。

矯正治療で上の前歯が内側へ入れば、上くちびるも内側へ入ります。

下くちびるを持ち上げなくても口を閉じることができるので、口を閉じたときにできるあごの筋肉の緊張(あごにできる梅干しのような筋肉のふくらみ)もできません。

矯正治療後の口元はすっきりした印象を受けます。

 

口元が入れば無理をせずとも口が閉じやすくなるので、矯正治療前より口元がゆるむ癖を取り除きやすくなります。

癖が取り除かれれば、矯正治療後の歯並びの安定も良くなります。

矯正治療と癖の除去、この両方が口元の印象を良好にし、その口元を長く続けさせることにつながるのです。

2011.01.17

矯正治療中の歯磨き

みなさんが歯科医院に行く理由の多くは、虫歯や歯周病が原因のトラブルだと思います。

虫歯は、虫歯の原因菌が付着している歯に糖分が供給され、糖分から酸が作られて、歯の表面を溶かすことで発生します。

虫歯を抑えるには、虫歯の原因菌を取り除くか、糖分の摂取を控えるか、お口の中の環境を酸に強い状態にすることが必要になります。

この3つのバランスのどれかが極端に崩れたりすると、虫歯ができやすくなります。

歯周病は、歯周病原因菌が出す毒素によって歯の周囲に炎症が生じる状態です。

歯周病を抑えるには、毒素を減らすために原因菌や歯石を取り除くことが重要になります。

 

虫歯、歯周病ともに原因菌を取り除くことが重要です。

 

矯正治療中は矯正装置が歯の周りに装着されるため、歯磨きが難しくなります。

多くの人が歯磨きの時に歯ブラシだけで磨いていると思いますが、矯正治療中に通常の歯ブラシだけで落としきるのはほぼ不可能だと考えていただいた方が良いでしょう。

通常の歯ブラシで歯磨きをすると、ブラケットに近い部分(青い部分)には毛先が届きません。

ブラケットの周囲をきれいに磨くには、子供用のコンパクトな歯ブラシやブラシの列が少ない(1列や2列)の歯ブラシを使用するか、毛先が一束だけの小歯ブラシを使用するほうが効率よく磨けます。

 

また、針金の下の部分(青い範囲)も磨き残しを作りやすいです。

針金の下は歯間ブラシや小歯ブラシを使用するようにしてください。

歯並びを整えても虫歯や歯周病で歯がダメになれば意味がありません。

歯科医院に来ればきれいに落とすことが可能ですが、それ以外の日に磨き残しがあれば虫歯や歯周病になります。

矯正治療を行っている人は、磨き残しなく落としきる磨き方を身につけてください。

2011.01.15

矯正装置撤去

開業して8か月経ちました。

ぼちぼち、矯正装置を撤去し、保定を開始する患者さんが出てきました。

来院してくれているすべての患者さんの矯正治療を頑張ろうというモチベーションが上がるように、掲示板に治療前・治療後の写真を掲示してみました。

上には

「矯正装置撤去おめでとうございます」

と書いています。

 

すべての患者さんが早く装置撤去できるように、自分も全力で頑張っていこうとあらためて思いました。

2011.01.14

都道府県別矯正歯科認定医数と県民所得

昨日の続きです。

人口が多くても所得が低ければなかなか矯正治療に結びつかないと思います。

県民一人あたりの所得、人口ともに多いところほど矯正患者数が多いと考え、昨日の表を修正しました。

人口×一人あたりの県民所得の多い順にソートしています。

一人あたりの県民所得のデータは、2007年度のものです。

この後にリーマンショックが発生していますので、現在の経済状況と乖離しているかもしれません。

また、農村部人口や道路交通事情など個々の県で異なるので人口×県民所得が本当の意味での経済状況を示しているとは言えませんが、単純に掛けて比較してみました。

経済的な格差がわかりやすいように、最下位の県を1として比較しています。

 

経済規模の大きな県ほど上位に来ています。

ただし、そういった県ではやはり矯正の認定医数も多くなっています。

人口×一人当たりの県民所得を認定医数で割ってみました。

全国平均を1として、認定医の供給過剰な県を赤のバックグラウンドで塗りつぶしています。

宮崎は認定医の供給が過剰なようです。

宮崎の矯正は厳しいですね。

頑張らないといけないなー

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