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2011.03.06

永久歯先天欠如

今朝の宮崎日日新聞の記事から、

永久歯欠損 10人に1人

小児歯科学会が調査

かみ合わせに悪影響 専門医不足

28本の永久歯のうち、1~数本が何らかの原因により作られず、欠損している「先天欠如」の子供が10人に1人いることが、日本小児歯科学会の初の全国調査で5日、分かった。

全部が生えそろわないと、かみ合わせの異常など、さまざまな悪影響が出る可能性がある。担当した山崎要一鹿児島大教授(小児歯科学)は「かなり多い数だ。治療の多くは自費診療が必要な上、治療ができる専門の歯科医師の数も少なく、大きな問題だと考えている」と話している。

2007~08年に、先天欠如以外の理由で歯科を受診した本県など12都道府県の7歳以上の子供1万5544人を調査。先天欠如は1568人(10.1%)で見つかった。

男子では9.1%、女子では11.0%だった。

上顎だけに欠損がある子は2.5%、下顎だけは5.7%、両方は1.9%。下顎で中央から左右に向かって5本目にある第2小臼歯がないケースが最多で、2本目の側切歯がない子どもも多かった。

7歳の段階でエックス線写真でも永久歯の芽(歯胚)が確認されないと、約99%の確立で欠如するとされる。乳歯は普通に生えていることが多い。

永久歯の先天欠如は原因不明のため、予防はできない。かみ合わせを正常にするため、歯並びを整えたり、インプラント(人工歯根)治療をしたりするなど、かなり専門的な治療が必要になるという。

山崎教授は「全国に歯科の病院は6万ほどあるが、きちんと対応できるのは数千程度。学会のホームページで紹介する専門医か矯正歯科医に相談してほしい」と話している。

とあります。

 

下の歯は上の記事にあるように、前から2番目と5番目の歯がない人がいます。

上の歯の先天欠如は下の歯の先天欠如より少ないですが、下の歯の場合と同じように前から2番目と5番目の歯がない人がいます。

上の前から2番目5番目の歯は、正常な大きさにくらべ小さい人が多く、特に2番目の歯が細くとがった歯になっている人はかなりの数にのぼります。

 

前から5番目の歯の場合、永久歯が先天欠如していると乳歯の歯根が吸収されないため、乳歯が長く残っていることが多いです。

そのため、大人になっても永久歯が先天的に欠如していることを知らない人がいます。

5番目の歯の場合、虫歯などによって抜歯する以外は長く残っているため、脱落したあと隙間をどうするかの対応が必要となります。

奥歯なので、ブリッジにするか、インプラントを打つかの対応となることが多いと思います。

 

前から2番目に歯の場合、生え変わりの時期に脱落することが多く、なかなか次の歯が生えてこないということで気づかれることが多いです。

前から2番目の欠如はかみ合わせがおかしくなることが多く、少ない歯の数でかみ合わせをまとめるにはかなり専門的な知識や技量が要求されます。

 

正常な歯の数と配列は親知らずを含めずに考えると右上の奥から、

第2大臼歯、第1大臼歯、第2小臼歯、第1小臼歯、犬歯(糸切り歯)、側切歯、中切歯、中切歯、側切歯、犬歯(糸切り歯)、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯の順になっていて、

上あごの歯が14本、下あごのには14本の歯があります。

親知らずが4本すべてある人では全部で32本の歯があるでしょう。

 

一度ご自身やご家族の歯がすべてそろっているか確かめてみてください。

歯の数が少ない場合は先天欠如か埋伏歯の可能性があります。

また、第1小臼歯と第2小臼歯は本来は歯の形が似ています。

もし前から4番目と5番目の歯の形が大きく異なっている場合、第2小臼歯が欠如していて第2乳臼歯が残っている可能性があります。

そのような場合は是非矯正治療に力を入れている医療機関にご相談ください