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2010.11.25

外科的矯正治療 4.術前矯正治療

外科的矯正治療では、ほとんどの場合あごの骨の手術を行う前に術前矯正治療を行います。

ほとんどの患者さんは、ずれたあごの位置で咬めるように歯の傾きや位置がずれています。

これを手術前に修正し、手術であごを動かしたところでも咬めるようにするのが術前矯正治療です。

たとえば、顎変形症の受け口の患者さんの場合、上あごより下あごのほうが前にあるので、上の前歯は前に倒れ、下の前歯は内側に倒れています。

上の前歯を内側に移動し、下の前歯を前に倒します。

その際に、上の前歯を内側に移動させるためのスペースが足りないことが多く、上の第一小臼歯を抜歯することが多いです。

術前矯正治療が終了した写真です。

上の第一小臼歯を左右とも抜歯し、その隙間を利用して上の前歯を内側に移動しています。

下の前歯は前に倒しています。

その結果、上と下の前歯の先の距離は大きくなり、受け口の程度がひどくなって見えるようになります。

治療開始前よりかなり咬みづらい状態です。

術前矯正治療の変化です。灰色でぬりつぶした歯の位置からピンクに塗りつぶした位置に歯が動いています。

ちなみに、手術で下あごを後ろに動かすと、水色の位置で咬みます。

術前矯正治療にかかる期間はばらばらで、短いものは術前矯正治療なし、長いものは2年かかる場合もあります。