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2010.10.27

矯正の力の強さと歯の動く速さ

今回は矯正治療の時に歯に加える力の大きさと歯の動く速さについてです。

私は大学の講義で矯正について学ぶ前は、矯正治療の時に歯を強い力で動かせば歯も早く動くと思っていました。

実際にはどうなのでしょうか。

皆さんの手に反対の手の指を強く押しあててください。

2秒ほど押した後に指を離すと、指の形に合わせて皮膚が白くなります。

これは、力が加わわった部分の皮膚の血行が悪くなったためです。

歯の周りの組織も同じで、歯に力がかかると歯が動いて押さる部分の血行が悪くなります。

押される力が強くなりすぎると、押された部分に血液が行き届かなくなり、壊死(えし)します。

一旦壊死すると、壊死した部分を取り除いてからでないと歯の周りの組織が作り変えられないので、歯の動きが悪くなってしまうのです。

歯を速く動かすには、あまり強すぎず適切な強さで力を加える必要があるのです。