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2011.02.17

歯科の標榜と歯学部教育

おはようございます。

木曜の定休日です。

宮崎は小雨。

新燃岳周辺で土石流が起きないことを願っています。

 

さて、本日も硬いタイトルでお送りしています。

 

医院・歯科医院で看板に掲げる診療科目を標榜(ひょうぼう)といいます。

医科だったら内科、外科、産科・婦人科などなど。

歯科で認められているのは歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科です。

では大学での研究や講義はどのように別れているのでしょうか。

私の出身大学は鹿児島大学ですが、鹿児島大学の医学部では臨床系研究室は23に分かれていて、内訳は、

内科学第一、内科学第二、内科学第三、リハビリテーション医学 、神経精神医学、小児科学、皮膚科学、放射線医学 、臨床検査医学、臨床薬剤学 、心身医療学、外科学第一 、外科学第二、脳神経外科学、整形外科学、泌尿器科学 、眼科学、耳鼻咽喉科学、産婦人科学、麻酔・蘇生学 、小児外科学、医療情報管理学 、医療総合科学

となっています。

それぞれの名前を見れば医科の診療内容、さらに言えば医科の標榜科目に多くが則していることがわかります(臨床薬剤学、医療情報管理学 、医療総合科学を除く)。

 

一方歯学部では臨床系研究室は12に分かれていて、

予防歯科学 、歯科矯正学 、小児歯科学 、歯科保存学 、歯周病学 、咬合機能補綴学 、口腔顎顔面補綴学 、顎顔面疾患制御学 、口腔顎顔面外科学 、顎顔面放射線学 、歯科麻酔全身管理学 、歯科医学教育実践学となっています(これは鹿児島大学の研究室名です。大学によって研究室名は異なります。)。

これを標榜科目と対応させると、

歯科(予防歯科学、歯科保存学 、歯周病学 、咬合機能補綴学 、口腔顎顔面補綴学、顎顔面放射線学 、歯科麻酔全身管理学)

矯正歯科(歯科矯正学、顎顔面放射線学)

小児歯科(小児歯科学、顎顔面放射線学 、歯科麻酔全身管理学)

歯科口腔外科(顎顔面疾患制御学 、口腔顎顔面外科学 、顎顔面放射線学 、歯科麻酔全身管理学)

になります。

歯科麻酔全身管理学は診療に麻酔を用いるところ、顎顔面放射線学はX線撮影する診療科目すべてに関与してきます。

研究室名や研究室数は大学によって異なりますが、分け方の傾向は似ています。

そうして眺めてみると、歯科という標榜名がカバーする範囲が広いことがわかります(逆を言えば医科にくらべ歯科は細分化されているという表現が正しいのかもしれませんが)。