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2011.08.16

ネットで見たカスタムメイドマウスガードの通信販売

マウスガードには既製品とカスタムメイドの2種類があります。

 

既製品はスポーツ用品店などで購入したものをお湯などで熱し、

それを口の中で形を整えて使用するのが一般的です。

既製品は手に入れやすく、かつ安いので良く使われていますが、

大きすぎたり、外れやすいなどの欠点があります。

 

一方、歯科医院などで製作するカスタムメイドマウスガードははずれにくく、コンパクトにつくることができますが、既製品よりも高価になります。

 

最近、インターネットの通信販売でカスタムメイドマウスガードを作っているサイトをいくつか見つけることができます。

カスタムメイドマウスガードを作るためには歯型をとる必要がありますが、歯型をとるという作業は医療行為にあたります。

歯型をとる資格のない人が他人の歯型をとると法律に違反します。

たとえ技工士や衛生士であろうと、歯科医師の管理下でない状況では処罰の対象になります。

そのため、インターネットのカスタムメイドマウスガード通信販売サイトでは歯型をとるための道具を購入者に送り、自己責任で歯型をとってもらうようにしているところがあります。

 

これらのサイトを見て思うのが、

歯型をとるという行為に危険性が無いと思っているのか?

ということと、

型とりに慣れていない人がとった歯型で満足なマウスガードが作れると思っているのかな?

ということです。

 

歯型をとる材料は流動性のある素材で、歯科医療の現場ではまれにのどに流れ込む場面に遭遇することがあります。

下手をすると窒息の危険性があり、自己責任という言葉で済ませるのは無責任であると思います。

こんにゃくゼリーの騒動を思い出してもらえればと思います。

 

満足な歯型が取れるかという点については、歯学部の学生実習で学生に互いに歯型をとらせていますが、実習時間中にまともな歯型がとれない学生が結構多いです。

一般の人が自分でマウスガードを作るにふさわしい歯型をとるのはかなり難しいです。

 

一般の人にカスタムメイドマウスガードを普及させたいということはわかるのですが、その手段が本当に一般の人のためになるのかを違う側面からも検討してもらえればと思います。